台所から芳しい朝食の香り。 鳥のさえずりに、さわやかな朝の風が部屋に吹き込んでくる。 ふかふかの布団から顔をのぞかせれば、 『おはようございます』 あいつの涼やかな声が聞こえてくる、 まぁ、そんなはずなんだけどな。 いつもは。 「ん、」 起き上って伸びをする、隣にはどうやらがまだ寝ているようだ。 今日は二人で取った久々の休みで、どこかへ行こうと言う俺の言い分を「行きたくない」の言葉で却下し、 家でだらだらすることに決め込んだ彼女だが、このような朝は珍しい。 いくらだらだらするとはいえ、もう完全に日は昇ってるし、(と言っても俺がこの時間に起きるのもかなりレアだ) 何が何でも寝過ぎだろう。 「たまにはいいか」 小さく笑みを漏らして垂れ下がってくる白い髪をかきあげた。 寝乱れた胸元を直すと立ち上がる。 普段ならこれで起きそうなものだが、が目覚める気配は一向にない。 (相当疲れてんだな) 健やかな寝息の聞こえるその頬に触れてみる。 ふに、と柔らかい感触がして、思わず笑みが漏れた。 (可愛い顔しやがって) 彼女バカだとは百も承知である。 たまには彼女のために料理のひとつでも作ってやるか、俺はいざ台所に。 「…どこに何があるんだ、」 一人で暮らしていた時期も長いし、食えるもの程度なら作れるつもりだが、 調理器具の一切が片付けられていて、どこに何があるのか見当もつかない。 こういうときの几帳面さを呪う。 とりあえず手短な棚を開けてみる、鍋やフライパンはそこにあった。 あと調味料、などとがさごそやっている間に時間は 「昼だな、」 四苦八苦しているうちに料理は出来上がったのだが、自分でもびっくりするぐらい時間がかかった。 それ以上にびっくりすることにが起きないわけだが。 起きがけのころと同じように、おとなしく寝ているの傍らへ寄る。 (いい加減起きねぇと脳みそ腐るだろ) 聡明な彼女にそんなことがあっては大変、と俺が起こしにかかろうとした時。 「ん、ぅ」 身じろき一つして、が目を覚ました。いやにあっさりと、はっきりと。 黒目がちの大きな瞳をきょろっとさせ、俺の顔を見るや、 「今何時!?」 「…昼だけど、」 「昼!?」 ぎゃ!!と顔をゆがめると、恐る恐ると言った表情で俺を見た。 それから、恥ずかしげに頬を染めると、布団の中にもぐってしまった。 (オイ、何だよ) 「…?」 「……めんなさい、」 「は?」 「ごめんなさい、寝坊しちゃって、」 ちろ、と目だけ布団から覗かせ、しょげる彼女。 (ちくしょう、可愛い) 別にこちらは責めてるつもりなどない。 どちらかといえばラッキーだとすら思っている。 (こんな幸せな時間はないからな) 「馬鹿野郎、たまには良いだろ。ほら、俺がメシ作ったぜ」 クス、と笑って髪を撫でてやるとは更に目を見開いた。 きっと俺に料理までさせて、大失態だと思っているんだろう。 俺にゆっくりしてもらおうと、外出も拒否し、色々策を練っていたんだろう。 そんなことどうでもいいのに。 「腹減った、我慢できねェ、」 布団をそっとどけて頬に口づける、起きがけからこっちの気も知らねェで。 (尤も、布団の中にいたいっつーなら、布団の中でできることをするまでだけどな?) それもいいけど、それじゃせっかくの休日が台無しだろ。 やっぱり今日はどこかへ行こう。 だから早く出てこいよ、 「おはよう、」 ---------------------------------------------------------------------------------- おはようございます← もうさ、久々過ぎて色々分かんなくなっちゃったよ。 変換の仕方とか、いろいろ。 わたしやばい! でもお話書くのは好きなので、これからも書いていきたいです! 本当気になるんですけど、キャラ目線とヒロイン目線、どっちが萌えますか(真顔) |