わたしの彼は素っ気ないというか、何ていうか、わたしに興味がないのだろうか? まぁ確かに? 町を守る真選組の一番隊長で、大層おモテになる容貌だということは百も承知だ。 「何やってんでィ、さん、挙動不審ですぜ、うんこでもしたいんで?」 口を開けば暴言(その大抵が下品)で、あんまり素直には笑ってくれないし、 (大体挙動不審て!わたしは総悟の事が気になってただけなのに!) わたしに向ける笑顔と言えば、 「言っときやすが、屯所には女子トイレありやせんぜ」 意地悪で姑息そうな笑い顔がほとんど。 「違うわッ!!ねぇねぇ総悟、今度海行こうよ!」 「何でですかィ、んな暑いところ行ってどうすんでィ」 「どうするって泳ぐんだよ、あとビーチバレー!」 わたしのテンションを尻目に、総悟はさらりと拒否の言葉をこぼした。 暑そうな隊服を律儀に着こんで、だるそうにわたしを見上げる。 「ほら、わたしも水着になっちゃうよ☆☆☆」 もう、しょうがないっ!総悟だけへの大サービスだぞっ☆ 「別に期待してやせんが」 にこやかに返されると余計に傷つくよ、総悟さん…。 「ビキニだよ!一緒にバナナボートやろうよ!」 わたしが負けじと言い張る。 そうすると大抵は、 「ったく、今度の休みですぜ」 そう言って頭をポンと撫でてくれるのだ。 わたしの彼は素っ気ない。口も悪いし、態度もでかいし、良いのは容姿と強さぐらいで。 いつも誘うのはわたし、渋々ながらも総悟は必ず了承してくれる。 それはわたしが、彼にとって、まだまだ価値のある存在の証。 「にしてもアンタみてェな貧乳に合う水着なんてあるんですかィ?」 でもいつまでもこんな事言われ続けたんじゃ、わたしの心はズタボロになってしまうよ…。 なーんて会話をしたのが、2週間前です\(^o^)/ 相変わらず総悟は忙しく、休みはないらしい、・・・でも一応次の休みの約束は取り付けた。 あの暑い中、あの分厚い隊服を着て、外で交通整理とかしてるんだ。 そんな彼の言葉を素直に従おうとも思うのだが、如何せんわたしもそれができない性格なのだ。 だが、次の休み!次の休みまで待ては総悟に会えるのだ。 それが明日に迫っている!キャッホイ!! 明日になれば総悟に会えるのだ。 会いたいな、会いたいな、 総悟も、そう思ってるといいのに、…確かめたいのにそれは怖くてできない。 「…何ニヤけた面してんでィ、キモイですぜ、バカ」 え!? 「総悟!?」 え、何どうしたの! わたしはいるはずのない人物を目の前に、あたふたとただ慌てるばかり。 まさかいるはずないよね、忙しいし、約束は明日だし!! 「あ、あれ、約束明日だよね!?今日何かあった!?」 わたし何か忘れているのだろうかと、記憶の棚を開けまくる。 いや、そんなはずないし!わたしが忘れるはずないし! 「え、総悟、どうしたの?今日、何かあったっけ…?」 すると総悟は、少しムっとした顔になり、 「…用がなくちゃ駄目なんですかィ?」 用がなくちゃ、彼女に会いにきちゃ駄目なんですかィ? す、と目を細める。小さく、微笑むのだ。 「悪くないですッッッッ!!!」 「ただ、アンタに会うのが待ちきれなくなっただけでさァ」 こそ、とささやかれた、耳元が熱くて千切れそう! ---------------------------------------------------------------------------------- こんどはヒロイン目線で書いてみた。 総悟さんでーす。 総悟さん、彼女さんにも酷かったらどうしようwwwドSとそれは紙一重だね! |