ってどんな奴か?】




その1 ガサツ
「総悟ー、テレビのリモコンどこ?」
「アンタのポテチの下でさ」


のやつはよく物をなくす。
大抵の物は目の前に落ちている事が多い。
この間よく物をなくすあいつの婚約指輪(もちろん俺がやったモンでさ)を隠してみた。
必死に探していたが、さすがに俺には頼ってきやせんでした。
そりゃ言えねェよな。
再三探して観念したのか、俺に泣きついてきた。
「総悟、ごめん!指輪なくしちゃったみたいなの…家の中にあるとは思うんだけど」
困ったような、泣きそうな顔で“ごめん、一緒に探して?”と懇願する姿。


ごちそうさまでした。






その2 ワガママ
「わたしのプリン食べたでしょ!」
「あり、あれアンタのだったんですかィ」


とはよく冷蔵庫の中身で取り合いになる。
大抵は俺が先に食っちまうんですが、あいつは一口分けてやりゃ満足していた。
が大好きなプリンを堂々と食していると、そこにあいつが帰ってきて。
「あー!!総悟、ちょ、何してんの!?何食べてんの!?」
再三叫び散らかして怒った奴は、むっすりと拗ねたように顔を逸らす。
分けてやるから、んな面白ェ顔すんなよ。そう覗きこむように口づけて、どろりとプリンを流し込む。
引っ込みがつかないのか膨らませたままの頬をカァっと上気させて、俺を見上げる姿。


ごちそうさまでした。






その3 料理ベタ
「…レンジが…」
「こいつはもう死亡したな」


は基本的に料理はしない、相性が悪いみてェでさ。
鍋を焦がすなんて序の口。何度も調理器具を血祭りにあげては俺に泣きつく。
そうして苦心してできた品は基本的に朝食に出そうなものか、あるいは死骸。食べ物の死骸。犬の餌以下。
「総悟…」
分かってるっつーの、俺の“いただきます”と“ごちそうさま”が聞きてェんだろィ、言ってやるんだから今度はもっとましなの作りなせェ。
“ごちそうさま”はあいつの最大の笑顔のスイッチ。


本当にごちそうさまでした。






その4 面倒くさがり屋
「ちょっと!何足蹴にしてんの!」
「アンタがごろごろしてるからだろィ」

は家にいてごろごろしていることが多い。
寝ころんでテレビを見てはポテチを食べている、俺が帰宅した時は大体そう。
時々腹出して寝てる。
ベッドで寝ろィ、ベッドで!
「総悟、おかえりぃ」
眠気眼で俺を見上げては、抱っこのポーズ。運べってか、いい度胸してまさァ。
寝ながらでも良い子にマテしてたんだったら、寝るスキも与えねェほどに愛してやる。
ベッドに放り投げるとびっくりしたように飛び起きる姿。


いただきます。






あいつは時々げっそりした顔で帰ってくる。
俺がプリンを食べてる時、俺が帰ってきた時に寝てる時、何に疲れてんのか意味わかんねェ。
絶対俺の方が疲れてんのに。
家に帰ってきて、俺の顔を見るや笑顔になるし、常に表情ころころ変わって忙しい奴だと思う。
俺に尻尾振っては近寄って、放っておくと拗ねる。
決して素直に俺に従おうとはしないし、でも、結果的に俺に従う形になるんですがねェ。
それがまた面白いんですがねェ、俺の行動に逐一反応を返すが。
たとえば、時間が空いたので布団を干しておく。
あいつに言われたわけじゃねェんですが、たまには料理もしてやる。
別にそういう事は嫌いじゃねェんで、俺ァ結構家庭的なタイプなんだろうと思う。
体でも壊されちゃそれこそ面倒だし、べたべた甘えられても困るんで、…ってこれ言い訳染みてね?
あり、それはおかしい。
ともかくも、それで上の4つが現実に起きた結果。

「もう!総悟って本当に私の事好きなの!?」
「…どうですかねェ」







(バーカ、間違いねェよ、)

その5 …好きなんでさ


そうじゃなきゃ、俺がアンタの帰りを大人しく“マテ”してると思いやすかィ?








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総悟さんのその彼女さんへの思い。印象というか、彼女がどんな人か。
Tetrapod:慧さんへ捧ぐ。笑。
30万打おめっとさんば!
わたしも10万通り越したよ!(いつの話だしwww)