【PEACE MAKER】 〜姫ヲ奪還セヨ!!!〜
「暑い!」
あたしはバン!と机を叩いた。
上に置いてあった数冊の書物と筆が浮いて、落ちた。
「暑い〜暑い〜あ〜つ〜い〜」
「…、暑い暑いって煩いヨ」
「そうだぞ…暑いって言ってると余計暑くなるんだからな!」
「そんな事になるのは原田さんだけだよ〜」
う〜っと、あたしは机に体を預ける。
自己紹介がまだだったよね。
あたしは。
ここ、新撰組のお手伝いさん。
「ところでいつもちゃんにくっついている平助はどうした?」
「何言ってんの、佐之。巡察デショ」
「そーだった、そーだった」
「原田さんも相当キテますねぇ」
「ってば…佐之は前からデショ」
「どういう意味だよ、新八!」
相変わらずのトリオ(あ、1人足りないか)のテンポ。
原田さんは永倉さんの着物の襟をひっつかんで持ち上げ、
永倉さんは呑気にお茶すすってる。
あはは、仲良いんだなぁ。
「ところで佐之。お前副長に呼ばれてるんじゃなかったのか?」
「ゲっ!!そうだった!早く言ってくれよ!!!」
「知ーらない」
「新八、このやろ〜」
また原田さんが永倉さんに掴みかかろうとする。
「原田さんっ、早く行かないと!!」
「そ、そうだった!!またな、ちゃん!」
そう言って原田さんは慌ただしく出ていった…。
何か暑苦しかったな。←最悪。
「ねぇ、。この暑さだしどうせ中にいたって外にいたって同じだヨ。
冷たいモノ食べに行こかない?」
「良いですね!行きましょう!!」
言い忘れていたけど、あたしは永倉さんが好きなんでっす!
小動物系なのが可愛くて可愛くて…。
あ、因みに永倉さんはあたしよりも少し背が小さいんです!えへへ。
「じゃぁ用意してくるから門のトコで待っててネ」
「はい」
2人で出かけれるなんて嬉しい。
「サン!」
「あ、沖田さん。おかえりなさい?」
門のところで待っていると、外から沖田さんが。
また甘味処行ってたのかな…。
「こんな所で何してるんですか?暑いですし、中行きません?」
「これから永倉さんと出かけるんです!沖田さんはどこ行ってらしたんですか?」
「出かけるんですか〜?折角美味しい御菓子買ってきたのに…一緒に食べません?」
食べたいのは山々なんだけど…。
「総司〜?」
「あ、永倉サン」
「あ、永倉サン、じゃないヨ。はこれから俺と出かけるんだから、邪魔しないでほしいナ」
「邪魔なんてそんなぁ〜、ひどいですよォ」
「さ、行こう?」
「うん」
いってらっしゃい、と笑顔で手を振る沖田さん。
その笑顔が妙に黒く見えたのは気のせいでしょうか。
できればそうであってほしいです…。
「まったく、すぐ目を離すとこうなんだから…」
永倉さんがぽつりと呟いた。
「?沖田さんですか?」
「いや、君だよ…」
やれやれ、と苦笑いを浮かべる永倉さん。
それでもその笑みが嬉しそうに見えるのはあたしだけでしょうか?
「何食べましょうねぇ〜」
「氷が良いんじゃない?」
「そうですね!暑い日にはかき氷!!」
すると永倉さんがぷっと吹き出した。
「…何か可笑しい事言いましたっけ?」
「があまりに嬉しそうだからサ、つい」
「もう…永くきゃぁ!!」
永倉さんったら、と言おうとしたら両肩にものすごい重力が…。
「〜、何してんの??」
「と、藤堂さん!!??」
「ん?今日も可愛いね♪」
「ありがとうございます…って違うでしょ!?会うたび会うたび抱きつかないで下さいよ」
重い…。涙。
そして
暑い…。
「だって、が可愛いから!」
「理由になってませんって!」
「ところで何してんの〜?こんなトコで」
「平助…困ってるデショ?離れなサイ」
「あれ〜?新八っつぁん、居たの?」
「居たヨ!!平助こそ何してんの、今隊務中デショ!!」
藤堂さんは隊服のまま、あたしに抱きついてきた…。疲。
永倉さんと藤堂さんが言い合いをしている。
アレ始まると中々終わらないんだよね…。
日陰で待ってよ。
あたしは店の軒先に入る。
すると、肩をトントンと突付かれた。
「はい?」
振りかえって後悔した…。
「ヘイ、ガ〜ル☆こんな所で会うなんて運命的じゃの〜う」
そこにはヒャッホーイとウインクぶちかましてきた人物がいた…。
「はぁ…」
「何じゃぁ、若いのに精が無いのォ!溜め息つくとらっきー☆が逃げるゼヨ☆」
余計なお世話だ!!
言葉に☆を多用するのを止めろ!!
「お久ぶりです、リョーマさん…ところであそこにいる人達が見えないんですか?」
「ばっちぐーに見えてるぜよ」
「捕まえにきますよ」
「おーるおっけーじゃき!」
そう入って坂本リョーマさんはあたしを抱きかかえた!!
何すんねん!!
「何するんです!!下ろしてぇ!!」
「答えはノーじゃ!!」
「えー!!??」
「ヘイ、クールボーイ☆クールガールは頂いてくゼヨ☆」
そう永倉・藤堂両名に告げるとこの男は全力疾走しだした…。
「なっ!坂本竜馬!?捕まえろ!!包囲!!」
藤堂さんが叫んでいるのが後ろで聞こえた。
もう遠い過去のようだよ…。
短い人生だったな…。
「ここまでくれば追っ手も来ん」
「リョーマさん…どういうつもりですか…夜になっちゃったじゃないですかぁ!!」
「すまんすまん、勘弁じゃき!それにしてもまぁ〜、綺麗じゃ〜」
「セクハラ!!」
「せくはら?おんし、いんぐりっしゅが解かるのか!?ますます良い女子じゃき!!」
そう言って奴ぁ、懲りずに抱きついてきた!
「はぁなぁせぇ!!重いッ!!」
本当に重い…。
平助の倍は重い…。
あたしが今にも潰れそうになっていると。
「を離してもらえるかな〜、お尋ね者の坂本リョーマサン?」
サムゥ!!
「もいつまでそんな事やってるつもりなの?」
ご、ごめんなさい…。
新八っつぁん、笑顔が怖いです…。
「総司、平助に続いて、今日は厄日だネ」
ゆらり、と永倉さんは1歩踏み出る。
てか、抜刀してるじゃないっすかぁぁぁぁぁ!!
「さぁーてと、邪魔者を片付けて行こうか、」
すっと永倉さんが刀を構えた。
ちょ、ちょっとちょっと!!
リョーマさん、あたしの後ろにいるんですけど!?
「…ケガするといけないから、ゼッタイに動かないでネ」
にっこりと、いつもの笑いを浮かべ永倉さんが…
て言うか、いつもはあんな冷めた笑い方しません!!
「オゥ、新撰組のボーイ☆はわしと日本を洗濯するんじゃき!」
永倉さんにボーイってそりゃちょっと無茶なんじゃ無いですか?
「…今、失礼な事考えたデショ」
「ごめんなさい…」
「待ってて、今、助けるから」
そう言って、永倉さんは地を蹴った。
ゼッタイに動かないでネ。
向かってくる永倉さんが怖い。
だけど、絶対に動かない。
あたしは永倉さんを信じてる。
ぐっと目を瞑る。
体のすぐ横の空気が斬れる音がした。
そして、声。
「ぐっばい、クールガール♪また会う日まで!」
「二度と来るな」
あたしが目を開くと、永倉さんが呟いた。
「やっと落ち着いたネ」
苦笑いを含んだ声。
「、大丈夫?何もされなかった?」
「う、ん」
でも。
「怖かったぁ…」
「そうだネ、ヨシヨシ」
永倉さんがあたしの頭を撫でる。
少しだけあたしより小さい背。
だけど、とても大きな心。
「サテ、行こうか」
そう言って永倉さんは手を差し出す。
て、手をーーー!!!←あんた何ですか。
そんな、怖れ多い!!
「あのサ、…」
「な、何?」
「…こうやってるのも恥ずかしいんだよネ…」
永倉さんは手を差し出したまま。
「そ、そうだよね!!」
あたしは照れながらも手を差し出す。
「ん」
永倉さんが手を握る。
あたしも握り返す。
温かい。
幸せだなぁ…もう、死んでも良いかも。
「ぁ」
「何?」
「俺、今日夕飯の当番だった…」
「…」
「…」
「…」
「帰ろっか」
何だかおかしくなって、あたしは笑いを洩らした。
「ごめん」
むーっと、腑に落ちなさそうな顔で永倉さんは謝る。
「いーえ、こうして2人で外に出れたから良いんですっ」
時分は夕暮れ。
随分と涼しい。
けど暑い。
「そうだネ、良しとしようか」
永倉さんがあたしの顔を見る。
笑い合う。
今日は熱帯夜。
でも、気分は良好。
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長っ!!
長い…無駄に長いゆ〜〜〜〜〜め〜〜〜〜〜〜。
7900ゲット、麻様に捧げますw
要らないかも知れませんが…↓。苦笑。
逆ハーになってるかな、これ。
微妙だ…。
あれだ。
リョーマさんの訛りが分かりません!
て言うか、喋り方が分かりません゜゜(´□`。)°゜。
これからもよろしくお願いします!!