【BLEACH】








あなたが笑ってくれるなら。

あなたの手が温かいなら。

わたしはそれで良いのよ。






「…なァ、

「はァい?」


わたしは冬獅郎に呼びかけられて淹れていた急須から視線を上げた。


「…シてぇんだけど」

「…は?」


持っていた急須が、カタっと机にぶつかる。

ぎゅうっと抱き締められる、一体何があったと言うのだろう。

理由を訊いても、きっとあなたは“何も無い”と言う。

だけれど、わたしは“何か”無ければこうはならないと知っている。


「…んっ…」


それでもわたしはあなたの腕の中へ落ちていく。


























こうやって度々あなたはわたしと熱を交わす。

























わたしは閉じていた瞼をフと開けた。

冬獅郎は窓から夜空を見上げてる。

その背に視線向けつつ身じろいだ。


「起きたか?」


完全に振り向かず、視線だけこちらへやる。

電気の付いていない部屋、明るい月光が冬獅郎の横顔を照らす。




あぁ。

このひとは。

何て綺麗なんだろう。



ただ、そう思って見惚れた。


「何見てんだよ」


薄く笑う口元も、優しく細まる双眸も、すべてが。


「…いえ…なァんでも…」

「体、平気か」

「…え…え、えぇ」

「…どうかしたか?」


どうかしているのは、あなたの方では無いですか?

と、問おうとして言葉は喉で止まった。

訊いても答えてはくれないと、わたしは知っている。

それは公に私を持ち込まないように、私に公を持ち込まない、

きっちりした冬獅郎のスタンス。

だからわたしは問わなくなった。

以前は一応、訊いていたのだけど。


「…何だよ、


わたしがフと握った手へ視線を落として笑う。


「………いえ、握りたいと、思ったので」


微笑みつつ、真っ直ぐと、冬獅郎を見上げる。

わたしが握った手から視線をズラした冬獅郎と目が合う。


「そうか」




そう言ってあなたは困ったように、だけどはにかみ笑う。



そうしてあなたは、小さく、手を、握り返す。












そ れ が と て も 愛 し く て 。












妙に嬉しくて。



「…だいすき」

「…知ってるっつの」

「ウン、でしょうね」


くすくす、と笑い合う。


少しでも、返してくれるのが嬉しい。




あなたは何も言わない。

あなたは弱さを認めない。

だけどあなたはわたしを必要とする。





交わす熱も、伝わる温もりも。





どちらも掛け替えが無くて。


あなたが見せようとしない、弱さも冷たさも、ほんとうはすべてを抱き締めたくて。


持っていた何もかもを捨てて、触れたい。


弱って冷え切った頬に、手に、唇に。



あなたがそんな時も、わたしを見て、くれるなら。














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え、意味が分からないとかそんな!イヤンバカン★(黙れ)

きゅん死しそうになる、ひっつーが握った手小さく握り返してくれるとか。

んで、ちょっとはにかみながら微笑まれたりなんかしてみろ!!!

わたしは死ねるんじゃないかな、と思う。(末期)