【桜蘭高校ホスト部】
「「「「「いらっしゃいませ」」」」」
今日は勢ぞろいのホスト部であります。
改めて見ると濃いなぁ………。
【扉を開けたのは…】
「姫」
「何?」
今度は二人でどうしたの。
「今日は直球でいくよ。そろそろはっきりしたいし!」
光があたしに詰め寄る。
「この遊びも飽きてきたし」
馨も近寄る。
「「“どっちが光くんでしょうか”ゲーム!!」」
何でそんなくだらないゲームを真剣な顔でできるんだ、この人たちは。
「右が光で左が馨」
チラリと一瞥して言う。
「「ブブ――――――!!はずれで――す!!」」
はぁ………。
「外れてないよ、右が光で左が馨」
ティーセットを選びながらあたしは言った。
…ん?
急に静かに…怪訝に思ってあたしは振り向いた。
「何だよ」
何がしたいんだ、お前たち。
「ったく〜、やっぱり分かるんだ、どっちがどっちか!!」(光)
真剣な面持ちを崩して、脱力する2人。
「はじめから、ね」(馨)
「お前等、俺で遊ぶの止めろよ…飽きないか?」
あたしはため息とともに言い放つ。
「飽きたよ」(馨)
「はいはい」
「何で分かっちゃうのさ!?」(光)
何でって言われても。
「勘」
「「はぁ〜!?何ソレ!!」」
ティーカップ…花柄にしようかなぁ…。
「聞いちゃいねぇ」(光)
「ティーカップの事で頭がいっぱいみたいだ」(馨)
青い花…にしようかなぁ。
…6月だし。
「ねぇ、姫?」
「あ、何?」
「ティーカップ決まった?」
え、何で分かったの、あたしがティーカップ選んでるって。
「なぁ馨、何で俺がティーカップ選んでるって分かった?」
首を傾げて、訊いてみる。
「何でって…」
馨は口篭る。
「そういう事」
そういう事だよ、馨。
「一緒だよ、馨が何を考えてるか分かったのと、俺が2人を見分けられる事は」
言葉じゃ言い表せないって訳。
にっこりと微笑むと、2人は顔を見合わせた。
「完敗!止め止め!!」(光)
「姫手強過ぎ!」(馨)
「「ところでさ…」」
こそこそと双子はあたしの耳に口を寄せる。
「「鏡夜先輩と何かあったの?」」
「え?何で?」
ちょっとびっくりした。
「いや…珍しく喋らないし…鏡夜先輩が怖い」(光)
「…十割増しだよな」(馨)
そうかしら。
心当たりがないわけじゃない。
今日の授業中だ。
「さぁ…」
あたしは一応知らない振りをするけど。
「まぁ、姫関連と見て間違いないね!」
「はぁ…」
あたしはただ言葉を濁すばかりだ。
ガチャ。
「「「いらっしゃいませ」」」
今、入ってきたのは誰ですか。
誰か教えておくれ。
入ってきたのはすらりとした160cmほどの身長で、ほんわかとした栗色の髪。
見た目は女の子のように可愛い。
光邦とキャラがかぶってるこの人。
…でも。
「いらっしゃいませ、お客様。初めてのご来店ですか?」(鏡夜)
「可愛い〜♪」(ハニー)
「お姫様…こちらにどうぞ」(環)
誰も気づいてない。
そう、あたし以外知るわけがない。
「青!!」
「わ〜!!会いたかったよ〜☆」
脱兎の如く走りよってくる。
ばふっ。
あたしに抱き付いて、奴はにこにこっと笑う。
「な、んで…ここに!?」
「っっ!驚いたぁ〜??」
可愛いじゃねぇか、コンチクショウめ!!
「の知り合いか?」
環がしどろもどろになりながら言う。
「知り合いと言うか…」
あたしが言いよどむと、奴はあたしに抱きついたまま、言った。
「こんにちわ!僕は桐生青!の婚約者だよ!!!!」
「「「「「何ぃぃいいいぃぃいいぃぃい!!!!!?????」」」」」
「は、はははは…」
あたしの乾いた笑い声と、みんなの驚きの声だけが響いていた…。
NEXT
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オリキャラである青くん。
ヒロインの婚約者様です。
さーて、鏡夜さまとハニーくん、そして双子、環は動くのか!!??
そのときハルヒは…?
次回予告。
『桜蘭高校ホスト部員による部長(キング)・環の為のイメージアップ大作戦!!』