【PEACE MAKER】
「ぎゃぁあぁぁああああぁ!!」
大きな叫び声と、刀の鍔が鳴る音。
「会津藩お預かり、新撰組だ」
いろいろはしょって説明しますと。
あたし、平成生まれの。
17の誕生日は元治元年で迎えてます。(はしょり過ぎて分かんねーよ)
「で、あたしはどうなるのかな」
けろり、とあたしは言ってのけた。
「お前…今どっから現れた?」
目の前にいる浅葱の一様な羽織を着た人々が、あたしに向けて抜刀してる。
マジフザけんな。
「新撰組…?」
まァここで、混乱するのがヒロインとしての勤め(何を言っているんだ)なんだろうが、
あたしはいち早くこの状況を把握した!!
でも事態は思ってたより深刻だ。
「答えろ」
1人の隊士の刀の切っ先が、あたしの首筋のギリギリのところにある。
「…あたしを殺すの?」
「問うているのはこっちだ!」
「…答えてくれればあたしも答えてもいいわ」
「返答次第によっちゃ殺すさ」
「しどい!!あなたたち何番隊?」
しどいってあんた。
天からの声のツッコミをもシカトを決め込み、あたしはきょとんと続ける。
「ニ番隊だ」
「ニ!?」
ニ番隊とか!!!!
「何で隊長さんはいないのよ!?」
あたしは声を張り上げる。
変わりにきょとんとする隊士たち。
隊長がいないニ番隊なんて…いくらの乗ってないいくら丼よ!!!(何だその例え)
「何、騒がしいネ?」
「あ、隊長!」
隊長!?
あたしはバッと首筋にあてがわれた刀を握り、払い除ける。
そして視界に入って来たのは。
「し!んぱちさん!!!!!!」
ちっさ!!!!
萌える!!!!!!
何、このちっさいの!!
あたしが萌えていると、隊士をかき分けてやってきた人物が口を開いた。
「…なァんで俺の名前を知っているのカナ、君は」
温厚な言葉の割りに、冷たい目をしたひと。
「だって、二番隊の隊長さんでしょう?」
ニッと笑ってあたしが続ける。
「知ってますとも…もう、ちっさくて可愛ぇ〜!!!」
思わずあたしは彼に抱き付いてました☆
「う、わっ!?何コイツ!?何コイツ!?…平助と同じ臭いがするんだけど!!」
初めからそう警戒していなかったのか、二番隊長、永倉新八その人は慌てふためいた。
「うっわ、それって超嬉しい言葉なんだけど!?」
あたしは抱きついたまま、顔だけを彼に向けた。
そして、にこーっと笑う。
「て言うか、喜ぶ所じゃないし!?」
「わ〜わ〜ちっさー、可愛いー☆」
もしゃもしゃとあたしは頭撫で、なおも笑顔を向け続ける。
「何、この子!チョット!離せって!」
もがく彼を尻目に、あたしは部活で鍛えた腕筋をフル活用する。
「って、新八っつぁーん、昼間っからイチャこいてんなー?」
「言ってないで助けろ、平助!!」
「おー?新八、何だその子ー?」
「呑気に言ってないで、助けろって、佐之ー!!」
上から平助さん、新八さん(萌)、佐之さん。
うわ、生で初めて見たよ!(当たり前)
「ちょっと!トリオだよトリオ!!カメラ無いかな〜!!!」
あたしはいつの間にか新八さんから離れ、平隊士の背中をバシバシと叩いている。
「くっ…やっぱり一番はぱっつぁんね」
グッと親指立て、平隊士に話し掛ける。
もう何が何だか分からない、そんな表情の平隊士くん。
「君に萌えを理解しろと言うのが無理な話だったね☆」
爽快に笑みウインクぶちかましつつ、あたしは新八さんを見続ける。
「で、何なんだ、その子」
急に声が掛けられる。
「知らないヨ、どう入ったのか知らないケドここに居たらしい」
肩をすくめながら新八さんはあたしを見る。
「君名前はー?」
「わぁ!?」
ひょこっと横から現れた平助さんに、あたしは声を上げた。
「ご免、驚かせちゃったかな〜?」
「ちょっと、あたしの視界遮らないで下さい!新八っつぁんが見えないじゃないの!!」
平助さんを押しのけ、あたしは見続ける。
あっはは、誰だ、今変態って思ったひと☆
手挙げろー?
今なら尻百連打で許してやる★
「新八っつぁん、何この子ー!」
涙垂らしながら平助さんは新八さんにすがりつく。
「あぁっ!あたしの新八っつぁんに!!」
「…べーっ、新八っつぁんは俺のだもんねーっ!」
「黙れすけへーが………」
ぎろりと睨んで言ってやりましたよ。
「新八っつぁーん!!」
本格的に泣き付く平助さん。
あぁ、ウザい。
あたしも抱きつきたいのに!!(黙れ変態が)
チラ、と平助さんがあたしを見た。
…にやっ。
「うぜぇ!!すけへーの癖に、超うぜぇ!!」
あたしは地団太踏みつつ、それでも新八さんを見る。
「で、結局君は何なノ」
溜息つきつつ、新八さんがあたしに近づいてきた。
「うっ…それ以上近づかないで!!鼻血が出るわ!!(黙れ)」
「鼻血…?」
怪訝に眉寄せる新八さん。
そんな顔も…
KA WA I I ! !(分かり辛ぇよ)
あんた可愛すぎるよ…!!!!
どうしよう、どうしよう!!??(いい加減落ち着けよ)
「だから、ネ。君、何?」
「あたしは!」
「ン、じゃぁさんネ。で、君は何?」
「って呼んで★」
ぐっとウインクとともに言ったあたし。
「………、」
やばい!!!
「やば………」
鼻血が!!!
あたしは鼻を押さえて蹲る。
「ちょ、大丈夫かよ!?」
佐之さんが思わず声をあげたらしかった。
「大丈夫じゃ、ないかも…」
あたしはそのまま気を失った。
長い夢を見てたんだ。
紛れもない現実だと、そう、夢を見てたんだ――――――…‥。
「っ!起きなさい!!」
そう、声が降ってくるまでは。
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ただの夢落ちですかって突っ込みはなしで。
あぁ、遅くなってごめんよー!!
てか、リクの萌えがあまりにも少なくてご免…(凹)
名前、呼ばれてみたいよね…。
2ヶ月も待たせてしまって…(凹)
一回ファイルが無くなったときは泣きそうでした。
キリリク一個消費!!!