【PEACE MAKER】 〜Which is Crying? SHE or HE?
「まァた泣いてるの、すけへー」
空から声が降ってきた。
「泣いてねぇし、俺はすけへーじゃな「黙れ」
問答無用な物言いに、俺は少しムッとしたものの顔を上げずにため息をついた。
「めそめそしてんじゃないわよ、しゃきっとしなさい、しゃきっと!」
彼女はそう強引に俺の腕を引っ張った。
「って…」
引かれるままに、俺は立ち上がる。
「何なんだよ…」
「あんたがいつまでも凹んでるから、見ていられなくてね」
「じゃァ見なきゃいいのに。ほっとけよ、俺の事なんか」
俺の言葉に彼女は冷めた視線を送るのみ。
何なんだよ。
「ほっとかない」
山南さんが、死んだ。
何でだよ。
何であの人が死ななきゃならないんだ。
それはこの1週間ずっと反芻していたこと。
何で。
あの人が
「死ななきゃならなかったんだ」
不意に彼女の言葉が思いと重なった。
「え…?」
「誰だって思ってるよ」
彼女は相変わらず冷めた視線を送ってくるのみで。
俺はその視線から逃げるように顔を逸らす。
「誰だって思ってるよ、何であの人が死ななきゃならなかったんだって」
彼女は歩き出す。
その背を見る。
「」
「何よ」
彼女は、と言う。
気が強くて、剣も強くて、言葉もきつくて、だけど誰よりも優しいのを俺は知っている。
「泣かないでよ」
「泣いてなんか」
そう彼女は突っぱねるけど。
「じゃぁ泣いてあげないの?」
あの人のためにさ。
彼女、は山南さんをよく慕っていたから。
「泣いてなんかあげないわ」
「何で」
「あたしはあの人が大好きだった、尊敬してた…だけど」
彼女は歩みを止めた。
「あなたや、総司、土方さんや近藤さんにあんな顔させるなんて許せない」
ぐっと拳を握る、奥歯も噛み締めている事だろう。
「死ぬより、生きる事のほうが辛いし難しいよ」
あの人は逃げたんだ、新撰組から。
そう彼女は続けて、俯く。
泣いているのか、と思った。
「」
「泣いてないわよ」
「嘘」
「嘘じゃない」
「…こっち、向いてよ」
「やだ」
「じゃぁ俺がそっち行っちゃうもんね」
俺はたたっと小走りで彼女の前に回った。
「…泣いてんじゃん」
「これは、涙なんかじゃないもの」
「何でそう言うかな〜…」
俺は彼女の目尻を拭う。
これは正真正銘の涙だろう?
「」
「………」
「」
「…分っかんないわよ、もう…」
何が何なのか、分からない。
それが痛いほどに分かって、俺は彼女を抱き締めた。
「もう、良いから」
「何が良いってのよ、馬鹿平助」
「…分かった、から」
「だから、何がっ」
離れようと彼女は抵抗するけど、結局男の力には勝てなくて。
俺は抱き締める腕を強くする。
気が強くて、剣も強くて、言葉もきつくて、だけど誰よりも弱いのを俺は知っている。
彼女は誰かが守ってあげないと、壊れてしまうんだ。
「もう、どうだっていい」
俺の口から漏れたのはその言葉。
「え…?」
「もうどうだっていいよ、何もかも。、君の事以外なら…」
もうどうだっていい。
ふ、と抵抗する力が抜けるのを、俺は感じた。
「何で、そんな事言うの」
「俺も分からないから」
自分では分からないけど、俺すごく頼りない顔してる、今。
彼女の目が見開かれて、驚いた表情をしてるから。
「分からないよ、もう。だけど、これだけは本当。…俺、を守りたいんだ」
この先、立つ場所が変わっても。
君だけは生きていてほしい。
「馬鹿平助、言ったでしょ。…生きる方が、辛いのよ…?」
そう言って、彼女は俺の胸に顔を埋める。
彼女の肩が微かに震えているから、泣いているのかと、思った。
「泣いてんの?」
「泣いてない」
「嘘」
「嘘じゃない」
意地っ張り。
「泣いているのは平助の方でしょ?」
「…うん、そう、かもね…」
そう言って、俺も彼女の肩に額を当て頭を乗せる。
「もう、泣かないから」
今日で終わりにする。
「ちゃんと、前、見るから」
君を守る。
「、君が安心して泣けるように頼もしい男になるから」
泣き場所はいつも俺の胸にしてよね。
「だから」
だから。
「いつも俺の隣に居て」
今はこんな弱い男だけど、いつかちゃんと前を見て。
君に我慢なんてさせない男になるから。
それまでは。
どうか俺のそばにいて。
出来たなら。
今度は俺が、君のそばにいてあげるから。
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ぐぁ…意味不明でごめんなさい…!
て言うか、全然甘くなくてごめんなさい…!
何こんな暗い話書いてんだ、自分…!!
本当に遅くなってしまった上に、こんな駄作ですみません(土下座)
待たせてしまった上にリク無視ってどういう事だ…!
もう言い訳の仕様が無い。
斬り番ゲッター、架月紗菜さまに捧ぐ。
…本当に有難う御座いました(深々)