【PEACE MAKER】 Slapstick 〜School〜
「じゃぁ、てめぇら課題を忘れんじゃねぇぞ。それから明日からテストだからな」
「ぇえ―――!!」
「エー!じゃねぇ!!聞いてたろ!抗議がある奴ァ、名乗り出ろ…(ギロン」
ヒィ―――――――!!!!
猟奇的な教師。(パクり)
【入学初日は。】
シィ―――ン。
「いねぇな?じゃぁ解散」
一気に騒がしくなる教室内。
「ねぇ!」
の前の席の女の子がへ話しかける。
(可愛い…)
「はい?」
「私東宮花!って呼んで良い?」
「良いわよ、あたしも花って呼ぶし」
「本当!?やったぁ!!…あ、沙夜!!こっちだよ!」
(可愛い!!!)
鼻血寸前ですが、何か?←何を言っている。
「!こっちは双山沙夜!」
「よ、よろしく♪」
にこり、と微笑むと、向こうもあどけなく笑う。
「よろしく…」
どうやらかなりの人見知りらしい。
そんな所も可愛いと思ってしまうほど、の可愛いモノ好きは末期症状だ。
「そーだ、はどうやって帰るの?私たち、これから私の家で勉強するけど一緒にどう?」
「あ、あたしは「!!遅くなってごめんね!!!」
きょとん、と2人は目を見張る。
それもその筈、の言葉を遮って、平助が隣のクラスからマッハで入ってきたのだ。
「…そう言う事だから…ごめんね?」
苦笑を浮かべ、は花へ謝る。
「彼氏?」
「違う違う。それじゃぁ…また誘ってね!また明日!!」
カバンを引っつかむと、は教室から出た。
「お友達できたんだ?」
「平助、あたしをいくつだと思ってんのよ…」
「でもどーせ、向こうから声かけてきたんでしょー?」
図星である。
「可愛い子達だねー♪今度俺にも紹介して〜★」
「絶対ヤだ」
「もしかしてってば妬いてる?うわ〜、平助くんモテモテで困っちゃう!!」
「殺すぞ?」
新八譲りの黒笑みでは言う。
「ごめんなさい………てか、最近ってば新八っつぁんに似てきたよね!!」
半泣きの平助の必死の抵抗。
「そう?褒め言葉として受け取っておくけどね」
くすくす、と大人びた笑いを乗せ、は先を歩く。
「あ」
「どうしたの?」
は振りかえる。
「新八は?」
「そう言えば聞いてないな〜、どうする?」
「あたし呼んでくるよ、平助はここで待ってて?」
「分かった」
の姿が階段に消えた後。
1人残された平助は、ゲタ箱に寄りかかる。
「…ってば新八っつぁんには特別なんだから…」
呟きは風に乗って、学校の喧騒に消えていく。
「藤堂さん!」
「…あなたは…沖田先輩!!」
ブンブンと手を振りながら、向こうから走ってくるのは沖田総司だ。
別名、新学の王子。
剣道は全国区、学力もトップレベル、容姿は言うまでもなく。
まさに、女子の憧れの的。
男子の恐れる存在。(これには色々と伝説があるらしい)
「永倉先輩から聞いてますよ〜、剣道部に入部してくださるんですよね?」
「はい!!よろしくお願いします!!」
「こちらこそ♪期待してますよ」
「頑張ります」
ペコリ、と平助は御辞儀をする。
「平助〜」
今度は元来た道から、が走ってきた。
「!」
「新八先帰って良いヨだってさ〜」
「そうなんだ〜、折角入学祝に何か奢ってもらおうと思ったのにぃ〜」
「同感〜」
がやれやれ、首を振る。
「さん!!!」
急に名を呼ばれ、はびくっと肩を振るわせた。
「さんじゃないですか!」
「沖田さん!?」
「何!?2人知り合いなの!?」
平助だけが分けが分からず、首を傾げている。
「知り合いって言うか…」
「昨日会ったばかりですよね?」
「昨日何かあったの?」
「あぁ、昨日はですねぇ、さんの見事な一本背「ぁあ!!沖田さん!その事は2人だけの秘密に」
「…?分かりました☆」
にこり、と総司は爽やかに笑う。
そんな容姿に見惚れる。
「ぇえーーーー!!!!ズリィよ、2人して!!!!」
「わ、何、うるさいと思ったらまだ居たの君達」
「新八!!」 「新八っつぁん!!」 「永倉先輩!!」
「うるさいって…総司まで何してんの?」
「いえ、私は藤堂さんに挨拶を」
「何平助、先輩に挨拶されたワケ?」
「う…」
「新八、まだかかりそう?」
「。う〜ん…粗方片付いたケド…どうしたの?」
「「何か奢れ♪」」
「…そんなトコだろうと思ったヨ、分かった。じゃぁちょっと待っててネ」
「さっすが新八っつぁん!!」
ひゃっほーい、と平助がガッツポーズする。
「それじゃぁね、あ、ちょっと総司付き合ってくれる?」
「分かりました。それじゃぁ、私はこれで…」
「はい、明日は部活に顔出します!」
「分かりました、それでは…また、さん」
「はい、さようなら」
総司の背を見送りながら、ポツリと平助が呟く。
「沖田先輩と何があったの?」
「だから内緒だってば…」
(街中でひったくりに一本背負いしたなんて言えないって…)
の胸の内は複雑である。
「何か気になる〜」
「良いじゃない、平助こそ沖田さんと何話してたの?」
「あぁ、俺剣道部入るからさ…沖田先輩部長だし」
「そうなんだ。見えないね、強いの?」
「めちゃめちゃ強いよ!!俺なんて足元にも及ばない!!」
「へぇ…新八は?」
「新八っつぁんも強いよ、たぶん、沖田先輩と同じくらい」
ふぅん…とはさして興味無さそうに相槌を打つ。
「興味無さそうだね?」
「そんな事ないよ。興味ありありよ?」
「嘘っぽ―――い!!」
「失礼な。でもきっと新八より平助のが強くなるよ」
「え?」
「お待たせ。行こうか」
平助の言葉を待たず、新八が現れた。
「どこ行くのサ?」
3人はまだ日の高い外へ出た。
Coming Soon !!