【PEACE MAKER】   Slapstick  〜School〜



「オラ、後ろからテスト集めろ。ついでに課題も集めろ」

相変わらずの土方の怒号(?)にどやされながら、をはじめ一番後ろの人が集める。


「ア?何…?課題を忘れただァ!!??」


教室が震えた気がしました。←花の後日談。


「あ、明日出します…」


「明日…お前は明日生きて学校これるとでも思ってやがんのか?課題を忘れるって事はなぁ…



 俺のクラスではを意味するんだよ…」


ギロンと飢えた眼光を光らせて土方は忘れた生徒を睨む。




((((誰かこの人を止めてくれ!!))))





はと言うと。


持っていたテストをバンと土方のいる教卓に置いた。


それで、あの鋭い眼光がに向いた。


「先生、もう良いじゃないですか。…それとも何ですか?先生は生まれてこの方忘れ物をした事が無いんですか?

 そんなに立派な人生歩んでるんですか?…人の事言えるんですか


ボソリと呟く。


「お前…」


土方より先に、怒られていた男子が口を開いた。

はそれさえも無視して、席に戻る。


「先生に逆らうのは得策とは言えぬな、まぁ間違ってはいないが」

座ると、隣の一がぽそりと言った。

昨日と変わらず、誰かと喋っていると言うよりは、独り言のような。

「…じゃぁ斉藤くんが止めてくれれば良かったじゃない」

「…私では無理だ」

「何でよ」



「…私は傍観専門だ」



「さようですか…てか、あの男の子誰?」

「…市村鉄之助では無いか?」

「ちっさくて可愛いねぇ…」



「そっち趣味か」



しんみり言う事じゃないですよね、斉藤くん。

は頬杖をついたまま、教壇を見仰ぐ。






「じゃぁこれから委員を任命する」





土方の重々しい口調に、一瞬静まり返る教室。




    任    命    !    ?




…いや、今の時代。


小学生でも委員は立候補とかで決まる物ですよ!!??




【第5話:このクラスの民主主義は何処へ!!!】



土方の言葉の真意に気付いた時には、既に遅し。


「昨日も言ったが、意見は聞くが異論は聞かねぇ」





    理    不    尽    !    !    !





「まずHR委員…委員長だな、男子は山崎、女子は


「はぁ!?」


は思わず立ち上がり叫んだ。

「何だ、

「何であたしなんですか!?厭ですよ!!」

「何故厭なんだ?」





「勿論、面倒くさいからです」





却下。お前が適任だ、それとも何か?新入生挨拶の時みたいにバックれるのか?」

にやっと、厭に気に障る笑いを浮かべる土方。



「バックれます」




「無理に決まってんだろ、座れ」


(くそ…あのハゲッ

は心の中で毒付いた。



、一応言っておくが、先生はカツラではないぞ」



「…数ヶ月後にはカツラになってるかもね…」



自嘲気味には言い放ち、ドカっとイスに座る。

「その時はぜひとも傍観させてもらう」

ははは…は渇いた笑いを洩らし、ハタと気付く。

「で、山崎って誰?」

「お主は人を覚える気は無いのか?」

「…無いわね」

「…廊下側、前から三番目、あれが山崎烝だ」

「…ふぅん…仏頂面


「聞こえるぞ」


「え?」

一が言い終わると、烝がギロっを睨んだ。


(本当に聞こえてんの…?)


怖ぇ…。


「…先生が指名しただけの事はあるようだ」

「どういう事よ、全く…」


は頭を抱えるしかなかった。


「あれ?その後ろ市村くんじゃない」

「覚えたのか」

「可愛い子は覚える主義」


「危ない趣味だな」


「あんたに言われたくないって」

はビシィとつっこむ。





、独り言はもう少し静かに」




土方の言葉に、は愕然とする。


(斉藤くんも喋ってるでしょ――――!!??)


「お前の喋り方が悪いのだ」

「…先生たちにあなたの声が聞こえてないって事は有り得ませんよね?」

「…どうかな。私はお前と喋っているのだから、私の声はお前だけに聞こえていれば良い




(なに無茶苦茶言ってんの、この人!!!)


は心中で叫ぶ。



「無茶ではない…心中滅却すればこのような芸当おのづとできるようになる…」


馬鹿な!


そんな芸当できません!!!!!!


(て言うか、やっぱりあたししか聞こえてないの!?)



は一と喋るのを諦め、窓の外へ視線を向けた。

今日はたしか、これで終わりの筈だ。

(平助は何委員なんだろ…)

そんな事をつらつらと思いながら、雲の数を数えたりする。






「委員長、今日さっそく委員会あるからな。生徒会室へ」





土方先生の言葉に、は雲から視線を外す。

「ねぇねぇ、斉藤くん」

「なんだ、因みに委員長は生徒会所属、各クラスの委員長をまとめるのは生徒会長だ」

他に質問は。と一は言う。

「いえ、何も」


(生徒会長がまとめるのか―――…って事は、新八と委員会同じなんだ)


早く放課後にならないかな、と思うであった。






Coming Soon!!