【ほのぼのさせてください!!】


俺は基本的にのんびーりしたのが好きなんだよネ。

なのに…なのに…。



「どうして君はいつもそうなの!?」



「ほぇ?」


「どーして厄介ごとを持ってくるのサ!!」

きょとんとするに、俺は言った。


「いーじゃねーか、新八ィ」

「そーそー、ずりぃよ新八っつぁんだけー!俺も可愛いちゃんと出かけるぅー!」

「平助、気持ち悪い!!」


「いーじゃない、そんなに仲良しなんだから一緒に行っても問題無いでしょ?」


にこっと笑って、ケロっとそんな事言わないでヨ…。

さすがの俺もちょっと怒っちゃうヨ。


「俺たち漫才トリオだろ!?」

「俺は組んだ覚えないってば…」

「一緒に便所だって入った事あるのにー!!薄情者ー!!」

「平助…」



ふぅ…いい加減、このツッコミも大変なんだよネ。

俺、ツッコミ向いてない気がするし。



大体、薄情者はどっちだよ…。

友達なら俺の幸せ考えて欲しいよネ。

俺だって休みたいの!

と一緒にサ。



「そうなの!?裸の付き合い!?」

…」


どうしてそうなるのカナ…。

ってば、本気で言ってる?


疲れる。

もう良いや、どうでも。


「じゃぁサ、3人で行ってきなヨ。俺は留守番してるから」


一週間も前にと約束したんだけど。

待ちに待った非番の日だったけど。

やっと2人ででかけられるくらい仲良くなれたんだけど。

の好きな甘味処へ連れてってあげようかと思ってたんだけど。


「新八?」


やっと名前で呼んでくれるようになってネ。

何ヶ月かかったっけ。


「やったぁ!ちゃん、行こうぜ!」

「え?え?」


おどおどとする仕草。

あーぁ、その小動物みたいな動きがさぁ…。

ねぇ?←何だ。


「新八?」

「何ヨ」

「怒ってる?」

「何が?」


「あー…新八っつぁん?」

「…」


もう、ほんと、煩い。

俺は静かなのが好きなんだよネ。


「行ってらっしゃい」


そう言って、俺は3人に背を向け手を振った。

会話をするのも、面倒だった。


「行こうぜー、ちゃん!」

「え、はい…」

「俺、今ちょっとお前の鈍感さが羨ましく思えたよ…」

「?何言ってんだ、平助?」

「いーや、何でもない」


好き勝手言われているのを背中で聴いた。

久しぶりの最低な非番。

別に何も無いんだけど、最低な気分。





「あれ〜、永倉サン、さんとおでかけなんじゃなかったんですか?」

「…総司」

俺、今結構機嫌悪いんだよネ。

できればその話題は止めてほしいんだけど。

さん、私に素晴らしい笑顔で言うもんですから…よっぽど嬉しかったんだなァって思いまして」

「…が?」

「えぇ…どうかされたんですか?」

「俺、しくじったかも…」


?という表情をする総司を放っておいて、俺は縁側に座りこんだ。


くだらない意地なんて張らずに、無理矢理にでも2人で行けば良かった。

佐之と平助をぶった切ってでも。←ぇ。

でもだって。

分からないじゃない?

がそんなに嬉しそうだったなんて。


「永倉サン、まだ間に合いますよ?」


総司がにこりと笑って、言った。

陽はまだ高いじゃ無いですか。と続ける。


「そーだよネ。俺、何諦めてんだろ…」

「そーですよっ!さん、きっと待ってますよ!」


総司の言葉に背を押される。

そうして俺は立ちあがる。


「言ってらっしゃい」


今度は背中で総司の言葉を受け止めた。

走って門を出る。


角を右に、曲がる。


「新八!」


曲がった矢先に名を呼ばれた。

後ろから。


この声は。


「新八!」

!!」


どうして後ろにいるのサ!?

町に出たんじゃなかったの?


「あはは、良かった。新八、出かける所だったの?」

入れ違いにならなくてよかった。そうが呟く。

走ってきたのか、かなり息を切らして。

小さな肩を揺らしている。

こそどうしたの?」

もしかして何かあったのカナ。

「2人置いて、戻ってきちゃった」

「へ?」

何で。

「だって、今日は新八と2人で出掛ける約束だったでしょ?」


そう無垢な笑顔を俺に向ける。


「何か新八、調子悪そうだったから」


いや、それは君が平助たちも連れてくなんて言うから。

機嫌が悪くなっただけで。

「はい、これ」


何サ?それ。


が渡してきたのは小さな飴玉と砂糖菓子。


「まだ、せんべいも、みたらし団子もあるよ」


また無垢に笑って包みを差し出す。


「一緒に食べようよ」


今度は照れながら、言った。


あぁ…俺ってば、本当どうしようもない。


「新八?」


「ごめん」


「え?」


「俺が変な意地張らなきゃ、一緒に出かけられたのにネ」


君はこんなに優しいのに。

君はこんなに綺麗なのに。


「新八は悪く無いよ、私が折角の約束を…」


言うを俺は抱きしめた。


「ちょ、っと、新八?!飴が落ちちゃう!」


抱きしめられた事より飴を心配する

論点がズレてる気するけど。

それがの良い所だから、良しとしようカナ。


2人で縁側に並んで飴を頬張る。

ほんとは甘い物、あんまり食べないんだけど。

今日は特別に美味しく感じるヨ。

天気は快晴。気候は良好。

俺、こんな風にのんびり過ごすのが好きだけど。




「今度の非番の日は、必ず出かけようネ」




そんな日もあったら良いな、なんて思えるのは。



きっと君のおかげ。




「うん!」



天気は快晴。

空気はほんのり甘い、静かな日。





おまけ〜。

「あー…とうとうちゃんは新八のモノかぁ」

「佐之、言うのは勝手だけど地雷は踏まないようにしろよ?」

「ア?どう言う意味だよ?」

ちゃんに手を出して、新八っつぁんを怒らせるなよって事」

「それはお前だろ、平助ェ?」


そう影で言っている会話を総司がこっそり聴いていて、

俺に楽しそうに言ってきたのは言うまでも無い…




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初、短編ピスメドリ。
いやぁ…短編…?
まぁ御気になさらずに!!
基本的に作者は新八っつぁんが好きです。
あと平助と総司。
佐之が可哀想?笑。
上の3人は書きやすいんですよねぇ、ドリ。
土方さんとか佐之ってどう書けば良いか分かりませんもんw苦笑。
そして市村兄弟を書いてないっていう…。
永倉さん、明らかに性格作っちゃいましたw
何て言うか、バラバラですよねー。
永倉さん。あたしはこんなのんびりな新八っつぁんも良いカナーなんて。

さん、読んで頂けて光栄です!
またのドリでお会いしましょう。