【PEACE MAKER】   〜護りたいモノ〜



「悲しい時は泣いても良いんですよ」


そんなあなたに甘えたくなくて。


「私が涙を堪えるのは、泣きたくないからなの」


って突っ撥ねる。


それはあなたが悪いんじゃんくて、きっと。


私が捻くれているから。


「悲しい時は泣いても構わないんですよ」


今度は私が呟くの。


「私は泣きませんよ、悲しいなんて感情、鬼の私にはありませんから」


そうあなたも突っ撥ねる。


それはウソだと思う。


本当は誰よりも悲しくて、誰よりも憎くて、誰よりも悔しい思いをしてる人。


だから私はその笑顔を護りたいと思うよ。





「総Dィー」




「…変な呼び方しないで下さいよ、

怪訝な顔が似合っていそうな台詞。

だけど総司は笑っていた。

「…つまんない」

「何変な事言ってるんですかー」

「教えない」

「えーつまらないですよォ、教えてくださいっ!」

ね?と能天気にこの男は私に顔を近づける。







「…そんなに顔近づけるとちゅー★しちゃうゾ」






試しにそんなこと言ってみる。






「痴女!!」






「そんな大声で言わなくても良いじゃないっすか…冗談なのに」

私が拗ねた様にむくれる。


あはは、と笑う声が返る。


「総司ってば…何がそんなに可笑しいの」

「え、楽しくないですか、は」

「楽しいけど」

「だったら笑うの当たり前じゃないですか!」

「…総司は今、楽しいの」

「楽しいですよ?といるのも、土方サンや鉄クンをからかうのも、永倉サンたちと試合するのも。



 すっごく楽しいです!!」



そう思いっきり笑顔で言うものだから。



私は泣きたくなった。


あなた、本当は病なんでしょう?

他人をからかって暴れたり、強者と試合したり、そんな事、しちゃいけない人なんでしょう?

本当は大人しく、寝ていなきゃいけないんでしょう?


…本当は新撰組なんかにいちゃ、いけないんでしょう?


私ね、屋根に登るのが好きなの。

知っていたでしょう?

あなたがあの熊医師と話してた時も上にいたってこと。

その後の烝と熊(ひどい)の会話も聞いていたこと。



私ね、あなたに生きていてほしいの。



何で笑うの?



悲しいくせに。



「私も楽しいよ」

「そうでしょうねぇ…私がいるんですもん」

当たり前のように、そして冗談のように言うけど。

「本当にね」


あなたはいづれ私の前から消えてしまうのでしょう?



問うても問うても、誰も答えてはくれない。


誰か。


NOと言って。


「じゃぁ総司、私が死ぬまでずっと傍に居てよ」


お願い。


すぐに、答えて。


YESと言って。


「…努力します」


何でそこで困った様に笑うのよ。

何でそこで間があるのよ。



総司。



「でもそうなったら、私が寂しいじゃないですか」

「は?」

が死ぬまでというなら、が死んだ後は私が寂しいじゃありませんか」

不公平ですっ!と頬を膨らませる。


「…違うでしょ」

「?何か言いました?」


違うでしょう、総司。

きっとあなたの方が先に逝ってしまう。

こんなのあなたの嫌う所かもしれないけれど。

私、勘が良いの。



あなたはどうして泣かないの?

どうして暗く沈まないの?

どうして、困った様に笑むだけなの?


何が、そうさせるの?


あなたの、信念なの?


あぁ神様。


どうか、私も。


彼の前では泣かせないで。


私が泣けば、きっと彼は泣けないから。



「ねぇ総司」


「何ですか?」


「お願いがあるの」


私はあなたが笑っていられるように、あなたの楽しさを護るから。


「私よりも一日でも、一秒でもいいから、長く生きてほしい」


私はいつでもあなたが泣ける場所を作っておくから。


「お願い、総司」



「…バカですねぇ、。私は簡単には死にませんよ?」



そうケロリと笑って返すあなただから。

護りたい。

そう思うの。


「でもきっと、それは守れませんね」


「え…?」


「私はあなたを護って死にたい。あなたが先に死ぬなんて、許せないですよ」



総司。


お願い。


神様。


どうか。



この人を、殺さないで。




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暗ッ。
まぁ自分で書いてどうかと思いますけど。
気ままに書いたものです。
PMの沖田さん痛過ぎですから。
泣ける。
鐡とか痛過ぎてどうすりゃいいか分かりませんもん↓。
切ない。
それでは。