、義理もねぇのかよ」

つれねーっとクラスの男子は笑った。
翌日、バレンタインデー当日。
教室はチョコの甘い香りで充満している。
誰かからひとつは、と狙う男子共を「ない」の一言で一蹴して、笑った。
他の男子にチョコなんてやったら、その男子の命にも、
(わたしの命にも関わるって!)
そんなこんなで一日が終わるのは早い。
放課になる直前に雲雀さんからメール。

『もう放課後なんだけど?
 君はいつ僕のところへ来るわけ?』

明らかにこれは怒気を含んでいる。
は携帯を片手に応接室へと走った。
急いでそのドアを開ける。


「雲雀さん!!」


どごっ、今度こそ飛んできたトンファーが左腕にぶち当たった。

「痛い!」
「…君は学ぶということを知らないの?」

心底呆れたという風に雲雀さんは肩をすくめた。

「スミマセン…」

ノックか、と一応気休め程度にノックをして中に入った。
中に入ると、案の定チョコの匂いが充満している。
部屋の隅のほうに捨てられたようなチョコの山ができていた。

「…他にも忘れてることあるんじゃないの」

じとり、と不機嫌そうな顔をして、雲雀さんはを睨んだ。

「え!別に何もないですけど、」
「…もしかしてあの連中にはやって僕には無いとか言わないよね?」

何の話だ、は首をかしげる。

「…もう良いよ、勝手にもらうから」

そう言って雲雀さんはを黒いソファに押し倒した。

「ひゃぁ!?ひひひひばりさん!?」
「…何」
「何事ですか、これは!?」
「見てわからないわけ?」
「分からないですよ!!」
「………チョコの代わりにもらうんだよ、」
「な、に、を?」
「…君を」

(えええええええ!)
ちょ、雲雀さんチョコなんて要らないんじゃなかったの!?
そもそもこの行為は完全なる交尾、いや違った、群れる行動に当てはまるんじゃないの!?
ちょ、違うよ、そもそも雲雀さんんんんんん!?


「…ひ、ひばりさんっ」


が上擦った声を上げるが、それをことごとく無視して雲雀さんは確実に手を進めていく。
の肩を押さえつけ、その唇にキスをする。
ジャケットを脱がされて、リボンを取り去さられ、カッターシャツの上から肌を撫ぜられる。


「…、」


吐息交じりに耳元で囁かれる。
耳朶をぺろりと舐められて、はびくりと肩を強張らせた。
クスクスと楽しげな笑みが聞こえる。
カッターシャツ越しの愛撫に嫌に敏感に反応してしまう。

「…雲雀さんっ」
「何?」
「何って、そんな」

聞かないでください、分かってるくせに。
は恨めしげに雲雀さんを見上げた。

「自分で脱ぎなよ」

雲雀さんは羽織っていた学ランを放る。
自分の襟首を緩めて、そして妖艶に笑った。

、もう一度言うよ、自分で脱ぎな」
「…ひ、雲雀さん!大体バレンタインなんて嫌いなんじゃなかったんですか!?」
「僕がいつそんなことを言ったの?欲しくないなんて一言も言ってないじゃない」
「…う、」
「くれるのが普通だと思ってるんだけど、それは僕の勘違いなわけ?」

要するに、雲雀さんはからのチョコが目的だったらしいが、もらえなかったのでをいただく、と言いたいのだ。
別に嫌でもないし、はしぶしぶカッターシャツのボタンを外していく。
下着姿になると、ブラは雲雀さんが取ってくれた。
雲雀さんがの首筋に舌を這わせて痕を残す。
ちゅっと啄ばむような音が部屋に響いて、いやに羞恥心を煽った。

「…ぁっ」

ちりっとした痛みに思わず声が出る。
首筋、鎖骨、そして段々と下へ雲雀さんの舌が這っていく。
スカートの中に入ってきた手が怪しく大腿を撫ぜた。

「ひ、ばりさ…ぁん、はぁ…」

切なげな声を出して、はソファに身を預ける。
丁寧で念入りな愛撫が続く、雲雀さんは胸を強くしく揉んで、の頬に口付けた。
大腿を怪しくさまよっていた手は今や核心に触れるか触れないかの位置を撫ぜている。
あまりに念入りすぎる(もっと、触って欲しい)
がそう思い出す頃には、の入り口は愛液で十分に溢れていた。
触れて欲しくてうずうずする。
のソコはヒクついて、刺激を求めていた。

「ぁっ…ん、…雲雀さ…ん、はぁ…」

悶えるように身震いして、懇願する。

、」
「…雲雀さん…、焦らさないでぇ…」
「…そんなに触ってほしいなら、」

雲雀さんがにやりと笑った。




「自分で触りなよ、




そうしての手をの入り口へと持って行く。


「こんなに濡らして、いやらしい子だね」
「や…ぁ!」
「…嫌じゃないでしょ?好きなように触って、イッていいから」


クスクスと雲雀さんは楽しげに笑っての様子を見下ろした。

「足開きなよ」

言われるままには足をM字に開脚する。
雲雀さんの念入りなまでの愛撫によって、我慢の限界に達していた。
ナカが疼いて疼いて仕方が無い。



「さ、これからでしょ?僕を楽しませてよね」



端麗な顔を綺麗に歪ませて、雲雀さんは笑った。















チョコよりも甘い君の吐息。

(僕を放っておいた君へのお仕置き)
















*****
雲雀さんこれ変態じゃない?
三人称で書いてるのに、雲雀ってかけなかった。
なぜか。
だから違和感があっても雲雀さん、で。
すみません、自重します。