雨は嫌いだ。 「何を閉じこもっているのです、」 荒廃な部屋、それに似合わぬベロア生地のソファ。 それに蹲るようにして寝転ぶ。 ソファに、沈んでいく、体。 「…見るからに鬱陶しいですね」 「煩い、骸」 「相変わらず雨が怖いんですか?」 「…黙れと言っている」 黒曜ランドはすでに廃れて、冷房設備なんて無い。 この地獄のような蒸し暑さがを苦しめていた。 「と言うか、そこは僕のソファなんですが」 「いいじゃない、ケチ」 「誰がケチですか、どきなさい」 深緑の学ランのような制服に、独特な頭、それが視界に入ってきて、さらに間近にあの眸が近づく。 じぃっと見上げる、骸が見下ろしてくるのと同じように。 「まったく、の相手も楽ではありませんね」 「誰が相手だ、相手してやってんのはわたしじゃないか」 「…生意気ですよ、」 そう言うと、骸は不意に唇を重ねる。 腕を回して、ぎゅうっと抱き締めるように応える。 「…抵抗、しないんですか、珍しい」 呟くような声で囁かれ、クフフという笑い声が耳をくすぐる。 「むくろ、」 「…何です、」 続きですか?と骸は笑顔で首をかしげる。 普段のなら金蹴りの一つでもお見舞いするところだが、今日は違う。 今日は、雨だから。 「今日はもういいの?」 「仕事ですか?えぇ、終わりましたよ」 雨は嫌いなんだ。 たくさんのものを攫い流していってしまうから。 何もかもを、失ったのはこういう酷い雨の日だった。 「…好きなように犯せば」 「従順なあなたも悪くない、たまには言うことを聴いてあげましょうか?」 他のことなんて考えられなくしてさしあげますよ、言うと骸は上着を脱いだ。 「あっ、はあ…ン、骸ッむ、くろ…ぉっ」 骸の細く長い指がのナカをぐちゅぐちゅと乱していく。 足が引き攣る、腰が浮く。 ふわふわとする感じが下半身を駆け巡ると、ぎゅうっと膣に力が入る。 「イクんですか?どうぞ、お好きなだけ、」 骸はにこりとすると剥き出しになったクリトリスをぐりぐりと刺激した。 「ぁっぁあ、あっ…〜〜〜ッッッ!!!」 ビクンッビクンッと体が大きく痙攣して、溢れ出す愛液がじわりとソファーを濡らした。 それを見て、骸は満足そうに笑むと、勃ち上がった自身を突きたてた。 「あっ…!ン、むくろっ…」 「…っは、…ぁ、今日はいつもより感じてるんですか?」 かすかに寄った眉、かすかに上擦った声が色っぽい。 少しでも骸を追い詰めた、その優越感に興奮する。 熱を持った骸が入ってきて、一気に余裕がなくなる、一つになったという感覚が全身を駆け巡る。 「…骸、」 ぴたりと体を寄せ合って、ソファにうずまる。 「美味しいですか?僕の、」 「ばか」 クフフと軽やかに笑う、骸は何もかも分かったような顔で、何も聞かずにの傍を離れない。 一人にさせてはくれないのだ、この男は。 特にこんな雨の日は。 「、」 名前を呼んで、口付ける。 ナカに入った骸が緩和に、そして激しく攻め立てるように動いた。 意識さえも飛びそうになる、でもそれは気に入らない。 快楽に引きずられるように、意識の外でビクビクと痙攣する身体に翻弄され、 「…骸っ、おね、がい…!」 「何ですか、」 無意識にでた言葉に自身が驚く。 この解せない男に、何を願うというのか、自分。 「…クフフ、離さないでいてあげますよ、夢でも、現でも」 雨でなくても僕を求めるように、 何も言ってはいないのに、そうして骸は笑うんだ。 -------------------------------- あれ、何これ。いつの間にえろになったの。 |