【銀魂】








それでもどうか



さないでおくれ。









「総悟っ」

「呼び捨てにすんじゃねェ、バカ

「何さっ、あたしの名前の冒頭にバカって付けるの止めたら考えてあげるっ!」


決まって総悟はあたしとの言い合いを溜息一つで片付ける。


「はぁ、どうせ止める気ゼロのくせに」

「そりゃあんただってね」


総悟は溜息をつきつつもあたしの様子を伺うことを忘れない。
それをあたしは知っていて、でも、知らないふりを続けている。


「バカバカ

「何さ、総悟」


いつもの真選組の制服に、アイマスクをして川べりに寝そべる。
今日もどうせサボりなんだろう。

総悟の考えている事、全く分からない。
総悟のやりそうな事、隅々まで想像できる。

このアンバランスな状況どうするのよ。


、アンタ仕事はどうしたんでィ」

「…休憩時間だもんっ」

「へェ、分からないもんでさァ」

「あんたに言われたくないし」


クスクスと総悟は楽しげに笑うけど。
アイマスクに隠れて瞳は見えないし、笑う口元は無防備だし。
隠しているのか、隠してないのか、分かったもんじゃない。

総悟はそのあたしの葛藤に気付いていて、恐らく鼻で笑ってる。
頑張って総悟に縋りつくあたしを観察してる。
酷い男だ、さすがサディスティック星の王子。
これは勝負だある意味。



「あー…が見えまさァ」

「何言ってんの、アイマスクしてんじゃない」

「目ェ閉じても開いてもアンタが見えるんでィ」




「( 嬉 し い )…へェ、そりゃ幸福な事じゃない」




ははっと笑って、総悟は反撃の言葉を口から発する。










「      」




















あぁ、きっと好きにさせてみせるから。


だからどうかNOの答えでトドメをささないで。


どんなに滑稽でも、どんなに苦しそうでも。


ほんとうに愛しているから!


だからどうか殺さないでおくれ。











あぁ、だけど早く声を大にして言いたいの。





愛してるっ!




(それが決着の合図)