だれか。

蝶々を捕まえて。

キオクに棲む、真っ黒な蝶々を。










ハザマ     〜妨害と解放と〜













『氷雪系ですね』

頭に直接響いてきた声。
放心していたの頭はそれで覚醒した。

「清明!!」
『ハイ。何でしょう』
「何でしょう、じゃないわよ!…あたし殺されそうなんだけれども
『…そうは言われましても…アレの相手は骨が折れますよ?それ以前にとあの子では実力も何もかも格が違います』

言い合う内にも空は暗雲が立ち込め、気温は一気に下がっている。
構えた冬獅郎の刀の周りに水の竜がまきついているのが見える。
そんなの分かっている、分かり切っているのだ。言われなくとも。

「じゃァ何よ、死ねっての?」

はむっすーと冬獅郎を睨み据える。
あんなのが攻撃してきたら、ひとたまりもない事をは直感で知っていた。

『そうは言ってませんよ』

くすくす、と笑いながら“清明”…つまりはの斬魄刀の本体…が呟く。

「もったいぶらずに教えてよ」
『逃げるんでしょう?』
「でもすぐ見つかって」
『だったらどうするんです』
「…逃げます」

結論は、出た。
試してみるんだ、逃げ切れないとしても。
どの道、死神なんかと関わりあいを持ちたくない。

「逃がさねぇ、そう言ったはずだよな?」

冬獅郎が挑戦的に笑む。
(挑戦的?違う)
はギリっと奥歯を噛む。
挑戦してる訳じゃない、彼は。
…余裕だ。

『どうするんです』
「逃げるっつってんじゃない」
『無理っぽそうですよ?』
「諦めが早すぎるのよ、清明は!」
『…私の勘、結構当たるんですけどねぇ〜』
「どうしたら良いのよ、もう…」
『私の力だけで勝つのは無理ですよ…他の力使わないところを見ると、捕まる気ですか?』
「実は、それもちょっと面白いんじゃないかって…思い始めてる」

(でも死ぬのは勘弁)
は“清明”と会話しつつ、方法を考える。
どの方法も、名案なんかじゃない。
(駄目だ)
絶対に、捕まる。

「行くぜ?」
「…冗談じゃないってのよ…!」

冷や汗が流れるがそれを拭いもできず、は冬獅郎を睨む。
ダンっと冬獅郎が地を蹴ったかと思うと、水と氷の竜がめがけて降ってきた。




「何とかしなさいよ、清明ィ――――!!!」


『他力本願ですよ、

溜息交じりの彼の声に、はニヤリとする。

「うるせっ!…晴らせ、清明
『ハイハイ』


キィィィン!


耳鳴りのような、音。
空間が斬り取られる音だ。

「何!!??」

言ったのは冬獅郎。
目掛け一直線に駆けて行った竜が、軌道を変え弾けた。

「おー、さすがさすが」
『言ってる場合ですか!これはただの不意打ちで1回ぐらいしか通用しないんですよ!』
「はァい、それじゃァ逃げます!!」

ダッとは踵を返し、逃げようと、した。

「そうはいかないわよ☆」

立ちはだかったのは、乱菊。

「ッッッ!」

くそう。
すっかり忘れていたよ、この巨乳お姉さんの存在。

「退いてくださいッ!」

刀を振るうが、すんなりと乱菊は避ける。
冬獅郎どころか、この人にすら勝てない。

「あたしは早く帰りたいのよ、これ以上付き合っていられない」

何て言う言い草だ。
が呆然を乱菊を見、「松本!」と言うゲキを背中で聞いた。

「はい、確保」

言われて、気が付いた時には…体から魂が、抜けていた。









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結局最強なのは乱菊さんって落ちサ☆(キラキラ)
いいのよ、彼女はこれで!!
…でも、日番谷さんが良いトコ無しですね。



さんの斬魄刀
名前:清明
始解口上:晴らせ、清明
基本能力:占星術などの占い←