鋼の錬金術師 【Please trust me】 11 〜突然のおつかい〜





ユースウェル炭鉱?」



「あぁ」





にっこりと笑むロイ大佐を前に、は固まった。





いつの間に機嫌直ったんだろう…。







まぁいっか。







「…まぁ、ここらも何かと物騒なのだが…軍の奴等は手一杯でな」



「それで、何で私?」




この間のテロリストの件で、ロイはかなり怒っていた。



それが、今日になってこの調子。



何か、企みがあるとしか思えない。







「嫌なら良いのだが」





「…行く」


は首を縦に振った。




と言うのも、ユースウェル炭鉱といえば、ヨキ中尉がいる。




いつまでも東部に留まっていても、元の世界に戻れない。



錬金陣で召喚されたのなら、帰りもそれで帰るのが当然だろう。







“賢者の石”





それがあれば、帰れるかもしれない。





それにはまず。




エルリック兄弟に会わなければ。





「この書類を、ヨキ中尉に。か」



は書類片手に呟いた。



汽車に揺られる事、数時間。



乗り心地悪すぎ。



さすがに、こうゆう時は現実世界の文化が羨ましくなる。







あ、次降りなきゃ。




つーか。




「だぁれもいないじゃん」



汽車から降りると、そこは炭鉱が広がっているだけで誰も居ない。



“東の終わりの街”とはよく言ったものね。





どが!ごき!





ある一軒の家の前に差し掛かったところで、妙な音がした。





!?



何事かと思って、は中を覗く。



すると、中には軍服の人とムキムキの人、そして。





あれは。






金髪に赤いコート。





隣に鎧。







エルリック兄弟だ!!!!!







やっと会えた!



やっと、やっと主人公に会えたよ〜。(泣)





「あ、そうだ、中尉」





金髪みつあみ、赤いコート。



つまり、の知識の中でいくと、兄であり鋼の名を持つエドワードが口を開いた。





「中尉の無能っぷりは上の方にきちんと話を通しておきますんで」



にっこ〜っと楽しそうに笑う。





うわぁー…マンガそのまんまぁ…。←当たり前。





「そこんとこよろしく」



わっと、家の中が湧きあがる。




「よっしゃー!!酒持って来い、酒ー!!!!」






ヨキ中尉が、魂の抜けた面を下げて、家から出てくるのをは待った。



「あ、ヨキ中尉ですか?」



「何だ…貴様は」



「…東方司令部からの使いです。炭鉱の管理、及び治安について査察が入りますのでそのご連絡を」



はよどみなく続ける。





「今回の件についても2・3問われると思いますが、よろしくお願いします」





ヨキ中尉の少ない髪が更に剥げあがっていく。





ちょっと可哀想かも?





その後姿を見送って、はふぅと息をついた。



「お姉さん、誰?」





後ろから声をかけられる。





「え?あぁ、アルフォンスくんか」



「え?どうして僕の名前…」



「有名よ、エルリック兄弟。“鋼の錬金術師”のエドワード。その弟くんだよね?」







「…だな」





「何が?」





「大体の人は、僕を“兄”の方だと間違えるのに」







ゲッ。







アルってば、頭の回転速いな〜。





「どうして1回も会って無いのに、僕が弟だと思ったの?」





感心してる場合じゃない、か。





「私は軍関係の人間です、噂で」



「…そう、ですか」





ありゃりゃ、まだ納得して無さそう?





「よろしくね?アルフォンスくん?」



「…アル、で結構です」



「私は。歳はあなたと同じよ」







「えー!!」







な、何!?



急に叫んだりして。





「てっきり年上かと思っちゃいました…」



「私、そんなに老けてるかな…」



「あ、いえ!そういうんじゃなくて!!」



「良いのよ…なれてるから…」



「遠い目しないで下さいっ!!(汗」







「アル!うっせーぞ!!」



中から顔を出して、叫ぶ。







エドだーーーー!!!!発狂。







「兄さんに言われたくないよ!!!!」



「あ…?誰だ、そいつ」



さん。軍の人らしい」





本当は同業者であります、鋼の錬金術師殿!!





「…お前、いくつ?」



「14だけど?」



「まじで!?」




やっぱり老けてるかなぁ…




ショックだなぁ…







「悪ィ悪ィ…つい…」



「噂通りね、鋼の」



「ッ!!」



エドの顔がすごい物になる。





「何?」



「その呼び方は止めてくれ…ある人を思い出す」



「ある人?」





「あー、大佐だね、兄さん」





「アル!その名を呼ぶな!気がする!!」







そこまで苦手なのか、エドワードよ…







「私は、で良いわ。アルも」



「俺はエドワード、エドで良いよ」





「お前も中に入れば?」





「良いの?」



「良い良い」




―NEXT→


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やっとエド登場ー!!!!ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノわぁい

長かった…やっと原作にそっていける…。

これから本番、かな?(不安)←訊くな。



おまけ。



アル「…珍しいじゃない、あの子の事気に入ったみたいだね」

エド「何を言う、弟よ!(汗」

アル「慌ててる…図星?」

エド「アルこそ、どうなんだ!!」

アル「僕?僕は気に入ったよ、だって可愛いし…それに、何か」

エド「何か?」

アル「兄さんには教えない」

エド「何だよ!?何なんだよ!?」

アル「兄さんってば、本当に鈍感」

エド「!!!!」