・。14歳、上級忍者。 どうやらハガレンの世界に来てしまったようです。 現状はとりあえずのところ、把握できた。だがしかし、は途方に暮れるしかなかった。 これからどうしろというのだろうか? と、そんな彼女の横を通り過ぎようとする人影。 「「ん?」」 2人は目が合う。 にはその顔に見覚えがあった、黒髪、青い軍服。 「…ロイ・マスタング大佐だ…」 ぼそりとは呟いた。 本物、本物だ!!! その飄々とした自信満々な顔! 紛れも無く、彼だ!! が追っていた、ロイ・マスタングが目の前にいるのだ!! しかしが呟いた後、彼の表情はどんどん変わっていく。 瞬時に、自分はしまったことをしたのだと気がついた。 「君…何処かであった事があったかね?」 「さ、さぁ…」 「会ってないよ、私が人の顔を忘れるなんて有り得ないからな」 うわぁ…マスタング大佐、マンガそのまんまぁ…。 その自信は一体どこからやってくるのか? 「君は何者だ?」 「…ナマモノですけど…ってお約束?」 ありゃ、笑えませんでした? 真顔のままのマスタング大佐に頬をかく。 「司令部まで来てもらおう、2・3訊きたい事がある」 「あたしはありませんけど」 「私にはある」 道端で目があっただけの小娘に、どんな用があると言うのだろうか。 もしかして、…異端者だと気付かれた? そう言われて、『焔の錬金術師』ロイ・マスタング大佐に連れられて東方司令部までやってきた。 一番最初に会った人がこの人ってのは、何とも運がない。 この人は、絶対信じない。 面倒な事になった、とは頭を抱えた。 「頭痛かね?若いのに、大変だな」 誰のせいだと思っているのか。 年端もいかない小娘が東方司令部なんか連れてこられて何も感じぬはずはないだろう。 「それでは話を始めようか」 周りにはホークアイ中尉、ハボック少尉…見た事のある顔ばかりだ。もちろん、マンガの中で。 なんで、こんな小娘の話を、マスタング大佐の懇意の仲間が集まってる? 「君は何者だね?」 「だから、ナマモノですって」 「…ここが何処だか分かっているかね?」 「東方司令部」 「ご名答、拷問ならそれ専門のが居るがどうするかね?」 「生憎わたしを拷問しても求める答えは出てこないと思いますよ」 「…大佐、手強いですね」 誰もこんな小娘を拷問にかけようなどとは思っていないことは、には分かっていた。 落ち着いた、むしろ冷徹にも聞こえる声でホークアイ中尉は言った、には一瞥しかくれない。 は浅いハガレンの知識を総導入して考える。 たしか、エルリック兄弟をスカウトしに行った時は中佐だった。 もしかして既にエドワードは国家錬金術師になっている? それとも、エドワードが機械鎧訓練をしている最中? 時期が読めない。 「…では質問を変えよう。君の名前は?」 「・」 「歳は?」 「…14」 「若っ!!」 「ハボック少尉、静かに。で、家はどこかね」 「この世界に、あたしの家は無いです」 「…と言うと」 「ちょっとなくなってしまって、家」 適当に、ありがちな作り話しとこ。 嘘は言ってない、事実だ。 「ちょっとしたイベントが起きて家がなくなりました…」 「…内乱が原因かね?」 「あたし、…帰る家を失ったんです」 重い空気になる。 「それでは、もう1つ。何故私の名前を知っているのかね?顔を見ただけで」 …あぁ、やはり、気になっていたのはそこか。 「たまたまですですよ…」 「それで通じるとでも?」 「もし違ったとしても、話してあたしに何の得があるんです?世の中Give and Takeですよ?」 「条件でも出そうと言うのかね、君は現実が見えていないようだ、ここは軍部司令部なのだよ」 「等価交換…錬金術師であるあなたになら、それで充分だと思うのですが」 ニっとは笑う。 「大佐…この人は…」 「中尉、構わない。良いだろう、言ってみたまえ」 「とりあえず、今夜泊めてください☆」 ピタっと、時間が止まる。 しばらくして、マスタング大佐が口を開く。 「君はやはり、自分の置かれている現状が理解できないようだね」 「あたしは寝床が欲しいんですよ、とりあえず今日の。でも拘置所は嫌なんです」 「良いだろう。それでは話したまえ。君は、何故私の名前を知っている?」 「…調べていたからです」 「私をかね?」 「えぇ、でも調べなくてもあなたは有名人、そんなに難しいことではなかったですけど」 は目で、それ以上訊くな、と言った。 すぅっと空気が冷える。 この手の雰囲気作りと口調は、親にしこまれたもの。 「そうか…それでは、送らせよう」 恐らく、いや、絶対、マスタング大佐は納得していない。 目の奥が、を捉えて離さない。 彼の中の『焔』が、を捉えていた。 ―NEXT→ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 2発目〜w マスタング大佐登場っすw 迷ったんですけど、何気にロイ寄りでw笑。 また来て下さいね〜wヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃 |