【鋼の錬金術師】 22 〜THE MANUKE〜
「あれ?ヒューズ中佐はどこへ?」
姿が見えなくなったけど。
「おかしいな、さっきまでここにいたのに…大佐もいないしな」
今、恐ろしい想像をしたのはあたしだけでしょうか?
中佐がウェルダンになっていない事を願います…。
「少尉!」
「何だ?」
「いたんですね」
「ひどいな!!にしても…ちゃんまで錬金術師だったとはな」
「いえ…あたしは錬金術師じゃ…」
あたしは言いよどむ。
「どうでも良いが、それ早く外したら」
それ…?
うわ!!
まだ風船付いてたんだ!!
「いい加減マヌケだから」
「っ!!」
恥 ず か し い ! ! !
「何でもっと早く言ってくれないんですかぁ!!ばかぁ!!」
「ちょ、ちょっと暴れるなって!割れたらどうする!!」
「少尉に全部ぶっかけます!!」
「止めろ!!」
「そーらそーら!」
あたしは頭の風船をハボック少尉に押しつけた。
「わっ!やべぇ!まじ割れるって!!」
あ、もうすぐ割れそう。
がちゃっ!
バン!!!!
「あ」
割れた。
小麦粉が飛び散る。
「全く、少尉が悪いんですよー」
冗談まじりにあたしが言いながら顔を上げる。
「…」
怒りに満ちた声。
白い粉を被った軍服。
「た、大佐ぁ!!??」
そこにいたのはハボック少尉でなく、マスタング大佐だった!
さっきの試合で粉まみれになった軍服を取り替え、シャワーを浴びていた、大佐。
今、あたしの目の前にいる、真っ白な軍服を着た、大佐。
「大佐ですよね?」
恐る恐る訊ねてみた。
「いかにも、ロイ・マスタング大佐だが」
怒りで少々震えている声があたしの耳に入る。
「ご、ごめんなさ「大佐、いるー?」
あたしの謝罪の声を遮ってエドが部屋に入ってきた。
「ギャハハハハハ!何、大佐、まだそんな格好してるわけ!?」
入ってくるなり、真っ白な大佐を見てエドは爆笑した…。
「エ、エド…」
今だ大声出して笑っているエド。
無言の大佐が怖いよ…。
「うるさいですよ、大佐」
次々とやってくる人。
冷ややかに言いながら中尉は大佐を一瞥した。
「全く…いつまでそんな格好していらっしゃるんですか?いい加減にして下さい、
マヌケですよ」
出たー!!!!これからは無能大佐改め…
マ、マヌケ大佐だー!!!!!
「マヌケ大佐だ!ギャハハハ!!」
相変わらずエドは笑い続ける。
「に、兄さん失礼だよ…ぷっ」
言いながら吹き出してますけど、アルさん!?
おろおろしているのはあたしとハボック少尉だけだ。
「あれ?、いたのかよ」
「今更!?」
「、どうしたの?白い粉かかってるよ」
ぱさぱさとアルがあたしの頭を払ってくれる。
「大佐、にまで粉振りまくなよなー」
「本当、迷惑しちゃうよね」
「、君、私に言う事は」
「ごめんなさい」
分かれば良いのだが、と大佐は軍服についた小麦粉を払いながら出ていった。
「…中尉、ヒューズ中佐はどうしたんですか?」
「…私の口からは言えないわ」
一体、何がー!!!
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文化祭終了で、まじ勉強モードに入り中w笑。
しかし息抜きのコレは止めませんので、ご安心を(?)