【鋼の錬金術師】 25 〜綺麗なお姉さんも大好きです!!〜



「ドクターマルコー…」

あたしはポツリと呟いた。

「ご存知なのですかな?殿」

「い、え、いや。知りません」

あたしは慌てて首を横に振る。

「少佐、知り合いかよ?」

「うむ…中央の錬金術研究機関にいた、かなりやり手の錬金術師だ。

 錬金術を医療に応用する研究に関わっていたがあの内乱の後、行方不明になっていた」

少佐の台詞は聞いた事のあるものだ。

この後エドは。

「降りよう!」

と言う筈で。

「アルと荷物を降ろさないと!早く!すいませーん、降ります!」

エドの台詞のあと、少佐とエドは汽車を降りる。





うわっ。




あたしってば素晴らしい記憶力☆悦。←独りで悦ってろ。




「うわ!アル羊くさっ!!」

「好きで臭くなったわけじゃないやぃ!!」

遠巻きにそれを見ながら、後ろに気配。


「ドクター・マルコー…ふぅん」


こ、この大人の匂いは…!!!!




恐る恐るあたしは振り向く。





ラ、ラスト姐さんだー!!!!!





相変わらずのナイスバディで…鼻血。




「ん?」

ラスト姐さんはあたしと目が合うと、首を傾げて笑った。





萌ーーーーー!!!!!




「(だ、大丈夫かしら、この子…)何?」


「い、え、何でもありません、ラストさん!!」


「え…?」



ドジったーーーー!!!!



あたしの馬鹿ー!!アンポンターーーン!!!!




「何であたしの名前を知ってるのかしら…?」

にこり、とラスト姐さんは笑みを浮かべる。



ひぃーーー!!



「い、いや…ナンデデショウネ…ワカリマセン…綺麗なお姐さんチェックは怠らない主義でして☆」


「誤魔化してもダメ」



ヒーーーーー!!!!



褒めてるんだから、ちょっとは反応してぇ!!



前を向いて、エドたちに助けを求めようとしたら。



「もう居ねぇじゃねぇかよ!!!!!」

バシーン!とあたしは持っていたカバンを地面に叩きつけた。


エドや少佐は既に駅から消えていた。

因みに汽車も。


「(…この子大丈夫かしら…)鋼のおチビさんのお友達ね?」

「はい…」

泣ける。

「影忍の錬金術師さん、だったかしら」


「はい…ってうぇえええ!?」


バレてるー!!!!


「…不思議な術を使うそうじゃない」

「えぇ、まぁ…」

ジリッとあたしはあとづさる。




ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ……




そいやぁ、この人萌え萌えだけど敵だったよ〜。



逃げるか?!


戦うか?!


逃げるか?!


戦うか?!


逃げるか?!


萌えるか?!


戦うか?!




「あなた、名前は?」

「え、あ、はい、あの、です…ラスト姐さん」

「どもり過ぎよ」

「すみません…」

「あなた面白いわね」


よく言われます…。


「知ってのとおり、あたしはラスト。

 お尋ねするけど何であなたはあたしの事を知っているのかしら?」


「あう〜…」

「喋ってもらわないと、あたしも仕事ができないのよ」

「…ごめんなさい、ラスト姐さん!!」


パァン!


あたしは思い切り手を叩いた。

そして。

ラスト姐さんの攻撃より一瞬速く、影を捉える。


「なッ!?」


「逃げるか、戦うか、萌えるか、悩んだんですけど!逃げる事にします!!!」


あたしはそう言い放つと、駅から駆け出す。


「ま、待ちなさいッ!!」


ラスト姐さん…悲しいけど、今日はここまでです!


本当に悲しいですけど…


「また会う日まで!」


あたしは一心に走った。


その耳に。


「あなたも人柱になり得る錬金術師のようね」


と、風に乗ってはっきり届いた。





ヒィィィィ…。



ラスト姐さんに目付けられちゃったよぅ…。




萌え…。←違う。




えー…っと。




エドたちは何処へ行ったのかな☆



「何やってんだ、


その声はエドー!!


「探してたよ、エディ!!!」


会えて良かった!!涙。


あたしは三歩助走をつけて、エドに抱きついた。


「エディって何だ!!うぉわっ!抱きつくな!!」


照れなくて良いのよ、エディ♪


殿、何処へ行っておられたのです?」

「駅でずっと待ってたよ?けど、中々みんなが来ないから…迎えに出て」


「迷った、と」


エディ、それは言っちゃぁいけないYO!


「さて、次の列車が来ますぞ」

「行こう」

駅までの道程はそう遠くなかった。

「国立中央図書館第一分館  ティム・マルコー」

エドがマルコーさんからもらったメモを読み上げる。


あー、あの火事になっちゃう所かぁ。


「なるほど…『木を隠すには森』か…あそこの蔵書量は半端ではないからな」


「ここに石の手掛かりがある…!!」


エドがぐっと手に力をこめる。


「兄さん、道は続いてる!」


「――――あぁ!」



ラスト姐さん、やっぱり綺麗だったなー。


あの豊満なバディ…悦。


また会いに行こうかな!!






NEXT

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ラスト姐さん登場★
こんなんじゃぁヒロイン変態だよ…。←今更。
これからウィンリィ編突入。
つか、長くなるなぁ…この連載。
アニメは終わったってのに…。

さーて、PEACE MAKER書こうかな♪