鋼の錬金術師 【Please trust me】 6 〜客〜


そろそろ日が暮れる頃だ。

大方の洗濯と掃除を済ませ、は夕飯の準備に取りかかる。


『いや…娘を可愛がるヒューズの気持ちもよく分かる…』か…。



いやいや。

こんなデカイ子供を持つ歳か?

たしか29だろ、今年で。

…15の時の子か…。



ロイ大佐なら有り得そうだ…。←最悪だよ、あんた。



娘なんて言われても嬉しくないし。

子供扱いされてんの丸見えだっつの。



つーか、大佐の方がガキっぽい。



同情しちゃうよ、中尉。



そう言えば、ヒューズ中佐ってのが居たんだっけ。


の中々好きな部類に入るキャラだ。


ヒューズ中佐って確か、中央勤務…。


ピンポーン!!!



この世界にもピンポン(呼び鈴)があったなんて!!!!!感動。

まぁ、機械鎧があるくらいだし…機械工業は発達してて当然か。


ピンポーン!!!!!

ピンポンピンポンピンポンピンポーン!!!!!!!


うざっ…。



!!出たまえ!!」

奥で大佐が叫んだ。

「へいへい」

ヒューズ中佐だったらどうしよう。ワクワク。

でもあれだけ呼び鈴鳴らす奴だからなぁ…。

違うだろうなぁ…。


「はーい、どちらさまー?」



ガチャ。



「ん?…」

「あ…」


うわぁ…。


本当に来ちゃったよ、この人。


メガネをかけた、大佐よりも背の高い、穏やかな顔をした、ヒューズ中佐がそこにいた。


彼は一瞬止まって、を見るやいなや口を開いた。


「嬢ちゃん、ロイはいるか?」


「あ、はい。奥の書斎に…」


がそう言うと、奥からグッド(?)タイミングで大佐が顔を出した。


「ロ―――イ――――!!!」

「ヒューズ!!??」


中佐は、大佐の元へ駆け寄った。



靴も脱がずに…。



ヒューズ中佐、あとで覚えておきなさいよ…(殺意



「だー!!鬱陶しい!!何だ!家まで来るなんて」

「いやね、お前さんが久しぶりに家に帰ってるなんて言うもんだから、
 こりゃちょっと遊びに行かにゃならんと思ってな?」

「何でだ!!」

「この広い家に1人は寂しいだろう?」

「私をいくつだと思ってるんだ!!!!いい加減離れろ!」

「いい大人だな、マスタング大佐?あんな若い子…とうとうお前も嫁を貰う気になったか!!」



「「嫁ぇ!!??」」


と大佐は見事にハモった。


「何だ、違うのか?」

「はー…ヒューズ、お前はそんな事しか考えられないのか?」

「そんな事とは何だ!」

「アレは違う。ただの居候だ」

「そうなのか?」

はこくんと頷いた。

しかし、何か苛々する。


所詮、大佐にとっては娘のような存在で、

娘と恋に落ちる事が無いようにと恋に落ちる事も無いのだ、と言っているかのようだ。



「それよりヒューズ、お前仕事はどうした」

「今日は午後から非番だ、家に帰りてぇとこだが、まだこっち(東方司令部)に用があってな」

「それはそれは、気の毒に」

「腹立つねぇ、その言い方。お前さんこそ、今日は非番だろう?」

「あぁ…」

「大佐は書類を燃やしてしまったので、それを復元してるんです。ほんと無能ですよね」

が苛々まかせに言い捨てた。

「無能とは何だ!もうすぐ終わるぞ、私はやってみせる!!(できなければ中尉に殺される!!)」


そして再び、大佐は書斎へ入っていった。


残されたヒューズ中佐と


「ヒューズ中佐、夕飯はどちらで?」

「決めていないよ」

「食べていかれますか?」

「本当か?助かる。ところで嬢ちゃん、名前は?」

、です。

ちゃんか」

「ちゃ…」

「?」



ちゃん付けとか……!!!!鼻血。←やヴぁい。



ヒューズ中佐★

ちゃん★



いい…!!(親指ぐっ!!)←どんな妄想だ。



ちゃんは、ロイの事をどう思う?」

「どうって?」

「さっき、思った。ロイのあんな生きた面、久しぶりに見たよ。…正直、驚いた。
 きっと、君と暮らしてるせいだと思うんだが?」

「いやぁ…すんごい迷惑かけまくってますよ、あたし」

「迷惑?」

「今日なんて…思い返すだけでもおぞましい…」



(何があったんだ!!??)←ヒューズ心の声。


「それに、一緒に住んでるって言っても、まだ3日ぐらいですし」

「3日?」

怪訝な顔をしたかと思えば、ヒューズ中佐は喉を鳴らして笑った。


「何ですか?」

「いや、3日でここまで馴染めるとはな、あのロイと…」

くっくっく、と中佐は笑いつづけている。


「いや、ロイも結構な性格だから、色々誤解されやすくてな」

「分かります」

「だろうな。余程君と合っていると見える。それで、奴の親友としての頼みだ。

 あいつを、助けてやってくれ」


「はい?」


「あいつの傍に居て、支えてやって欲しい」


ヒューズ中佐は真剣な目で言った。


「あたしには荷が重く無いですかね?」

「そんな事は無いだろうよ」

「…出きる限り、努力します」


にっこりとは笑った。


あの無能を支えるなんてできるかしら…フォローし切れる自信無いけど。



だけど、あの人は家を与えてくれた。

独りぼっちのあたしに、帰る家を与えてくれた。


等価交換。


あたしの出来得る範囲で、あの人を守る。





―NEXT→

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ヒューズ中佐だーーーー!!!!
大好きだー!!←何。
そして、やっぱりエドたちが出てこないっていう…w苦笑。
何か意味がよく分からないストーリー展開…。
大丈夫かな…。