【桜蘭高校ホスト部】
『戻ってきてもらえないか?』
「へ?」
『お前に、会いたい』
そんな甘い言葉に誘われたあたしがバカでした。
学校指定のブレザーに、ちょっと長めのセミロングの髪を後ろで束ねる。
すれ違った人、誰もが振りかえる。
男か女か、中性的な魅力振り撒き来た場所は。
ガチャ。
「「「「いらっしゃいませ」」」」
【扉を開けるとそこは中学校でした】
ガチャ。
あたしは一回開けたドアを改めて閉めた。
見間違えであれば良いのに…。
ドアに背を向けて悩んでいると、ガチャとドアが開かれた。
「、入っておいで」
にこり、と爽やかな笑みを浮かべながら言ったのは黒の学ランに身を包んだメガネの男。
あたしは知っている。
その学ラン並に真っ黒な腹を持っている。
果てし無く、この爽やか過ぎる学ランが似合わないこのお方。
「鏡夜…」
鳳グループの子息であらせられる人。
「久しぶりだね、。良く似合っているよ、その女装」
…誰が女装だ。
「おかしいわね…男装してきたつもりだったのだけど…」
頬をひくつかせながら、あたしは言った。
「女言葉は止めた方が良い…気色悪い事この上ないからな」
くそっ…こいつは…。
べぇっとあたしは背を向けた鏡夜へ舌を出しながら教室へ入る。
「「鏡夜先輩、その人誰〜?」」
「あぁ、1年にはまだ話してなかったな、新しい部員だよ」
「「ぇええぇえぇぇえええ!!??」」
「聞いてないよ!」 「そりゃそうだろう、言ってなかったからな」
「反対!これ以上男増やしてどうすんのさ!」
鏡夜の言葉に光と馨がそれぞれ騒ぐ。
それを見て、くっくっく、と鏡夜は喉を鳴らして笑った。
「良かったな、男に見えるそうだぞ」
この男は………っっっ!!!!!
は怒りにも似た感情をぶつけられずに、拳を握った。
「お久しぶり〜、ちゃん元気だったぁ〜??」
その拳を握って、下からのアングルで見上げられる。
やべぇええええぇぇえええ!!!!
は、鼻血出てないかな!?
か、可愛すぎじゃないっすか!!??
久しぶりのそのラブリー光線(死語)はキツイっす!!
「歯、ハニー先輩、モリ先輩、ご無沙汰しております。相変わらずお元気そうで…」
(((歯?)))←1年諸君。
ブレザーに身を包んだ、170cm程の、モデルのような人。
端正で綺麗な顔立ちに、華奢な体躯にすらりと長い手足。
ちょっと長めのセミロングの髪を後ろで束ねている。
「「…男…?」」
疑惑は最も。
「全く、何なんだよ?急に呼び出したりして」
そう、あたしの名前は。
やっと登場しました、この話の主人公です。
身長170cm、イギリス生まれ日本育ち。
獅子座で血液型は…
「ちゃんってば大きくなったねえ〜」
「…先輩はちっとも大きくなりませんね☆」
ABです。
「うわ〜ん、崇〜ちゃんがいじめるぅ〜」
お前何歳だ。
「久しぶりだな、」
「えぇ、環こそ」
相変わらず変な事をしてるのねぇ。
学ラン、果てし無く似合ってないわよ。
あぁもう。
色々おかしいところがありすぎてツッコミ切れません…!!!←ヒ○シ風に。
「何、殿の知り合い?」
「あぁ…まぁ、ちょっとな」
そんな意味ありげに言っちゃぁ…
「知り合いなんだ」
「どんな知り合い?」
やっぱり。
双子の好奇心に火つけちゃった。
「初に御目にかかります、常陸院の君々」
すっと頭を下げる。
その様子は、とても優雅で上品で、自然で。
「「只者じゃ無いね、どこの家?」」
目は笑っていない。
怖い怖い。
「ねえねえ、何でちゃんはここにいるの〜?イギリスにいたんじゃなかったの??」
あ、復活したんだ。
双子の質問を遮って、ハニー先輩が訊いた。
助けてくれたのかも。
「いましたよ〜、ケド呼び出されたんですよ、鏡夜に」
「この間のカケで、環が藤岡に負けただろ?それで1つ望みを叶えてやろうと思ってな」
「「ハルヒの望み?」」
双子がいっせいにハルヒを見る。
「…僕は…部に1人でも女性がいらっしゃればな、と言っただけですけど」
ハルヒの発言に、全員が固まる。
「ハルヒィィィィ、ここにはお父さんやお母さんやお兄さんがいるっていうのに、
なんでそんな事を!?」
あんたのその暑苦しい言動が原因じゃないのか。
環まで反対してるんだ。
あたしこない方が良かったのでしょうか…?
「大体ここはホスト部、ハルヒ以外の女なんて要らないよ」(光)
「ハルヒで充分」(馨)
「これ以上(AB型は)要らないっ!」(環)
恐らく、環だけは別の理由だろうな…。
あたし結構冷たく扱ってきたし。
「と言うか、言ってみたは良いんですけど女はホスト部には入れないんですよね」(ハルヒ)
「「「その通りっっっ!!」」」
やっぱり。
正直帰りたいなァ。
鏡夜には騙されるし、環はいるし。
あたしは視線を下に向ける。
ついでに溜め息も1つ、ご一緒にどうだ。
そんなあたしを尻目に、鏡夜は口を開く。
口元には笑み。
「だからを呼び戻したんじゃないか」
「へ?」
「どう言う意味?」
「良いじゃない、鏡夜。あたし、帰るわ」
「「あたし!?」」
双子が声をそろえる。
「、れっきとした女だよ」
「「ええぇええぇぇええええ!!!???」」
鏡夜の言葉に、双子が叫ぶ。
「はい、頂きましたー」
すっごい失礼ですよね、ホスト部の皆さん。
「失礼だねえ〜、ちゃんこんなに可愛いのにねえ〜」
「あはは、ありがとうございます。先輩の方が可愛いですけどね〜」
「当たり前でしょ〜?」
にこっ。
何だこの人。
にこにこと愛らしい笑みを浮かべて言う言葉じゃないだろ。
この人…可愛いだけじゃない!!←何だお前。
「この役に適しているのはぐらいだからな」
「そうだねえ〜、ちゃんなら男の子でも通せそうだしねえ」
「先輩…あたし泣いちゃいますよ?」
(((か、可愛い…)))←部員の心の声→(((が、何か違う気がする…)))
「ちゃん、ごめんねえ〜」
わーん、とあたしに泣きつくハニー先輩。
「君たちも見た通り、なら見た目は男でも通せそうだ。それにハルヒの望みも同時に満たせる」
問題はないな?と鏡夜は微笑む。
「母さん…」
「誰が母さんか。環、お客様がお見えになるぞ」
鏡夜の声に、全員がピシィっと背筋を伸ばす。
部活が始まって、みなが散り散りになっていると鏡夜に耳打ちされた。
「、明日から接客も頼む」
「えぇ、分かったわ」
「だから女言葉は…隆匡様はお元気でいらっしゃるか?」
「父さん?まぁねぇ…母さんが母さんだから」
「晴華さんか」
「元気過ぎて困るくらいよ…」
げんなりとこぼす。
鏡夜が去っていくと隅っこに立ち、みなの動きを観察する。
常陸院の双子は“萌え激情(劇場)”を繰り広げているし、
環は女の人と近距離誘惑大作戦決行中だし、
ハニー先輩とモリ先輩は…意味不明だ。
唯一普通にお茶を楽しんでいるのは、藤岡ハルヒだけだ。
「ちゃん、こっち来てケーキ食べない〜?」
ハニー先輩がたたたっと走りよってくる。
か、かわい……←思わず鼻血確認。
が、しかし。
騙されてはいけない。
ハニー先輩は…AB型だ!!!←自分を棚に上げるな。
「ケーキですか?もらいましょうかねえ」
「ほんとっ♪嬉しい〜、崇っ崇っ。ちゃんも食べるってぇ〜」
(嬉しそうに?)モリ先輩がもう1つのティーカップとケーキを用意してくれた。
「ハニーくん、そちらの方は?」
頬を朱に染めながら女子生徒があたしを見る。
「この子はねえ〜新顔さんだよっ!ちゃん!」
「あ、です。よろしく」
にこっ!←効果音。
「「「「きゃぁぁああ!!」」」」
ふっ、3人倒れた☆
ちょろいもんだ。←お前何だ。
「くんっていうの?綺麗な名前ですのね」
「1年A組?ハルヒくんたちと同じ?」
「そうなの!?」
女の子たちの話がどんどん盛りあがっていく。
「ちゃんちゃん!ケーキっ、はいっ!」
「ありがとうございます」
「ハニーくんとくんはお知り合いなの?」
そんな質問に、ハニー先輩は嬉しそうに笑みながら「うんっ」と答えた。
「ちゃんはねえ〜、僕の家で空手習ってたんだよねっ!
あとあとっ、剣道もものすごぉーく強いんだよっ!」
「そうなのっ!?くんって意外と男らしいのね」
「え、えぇ…まぁ…」
やばっ、頬が引き攣る…。
「くんっくんっ、御住まいはどちら?」
「お好きな食べ物は?」
「今まではどちらに?」
ぎゃ―――!!
質問攻めは止めて下さい――――!
と、取り敢えず答えなきゃ!!
「好きな食べ物は…梅干です…」へらっ。←不謹慎な笑い。
死―――――――ん。
し、しまったぁぁぁぁ!!!
もっとこう、カタカナのもの言っとくべきだった!!
ぷっ。
誰かの吹き出す声。
「ちゃんってばおかしいの〜!!」
ハニー先輩がお腹を抱えて笑ってる。
「う、梅干をここにっ!!」 「最高級の梅干を用意させろ」 「「庶民派…」」
環たちの声が飛び交う。
「っ、がそんな慎ましやかさんだったとは!!父さん知らなかったよっ!」
環…誰が父さんか。
「何だか涙が出てきたよ」
鏡夜、いつからそんなノリを覚えたの。
「ちゃん、うちにいっぱい梅干あるよっ!」
ハニー先輩…。
みんなが哀れな目であたしを見ますが。
皆さん、あたしを誰だと思ってるんですか。
「「「高飛車な大金持ち」」」
それはてめぇ等だ。
NEXT DAY!
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とにかく突発的に始めちゃいました。
めちゃくちゃだな、このストーリー。
詳しい設定は、ドリームトップの主人公設定をご覧になってください。
是非ともw笑。
管理人はハニー先輩、モリ先輩、鏡夜先輩が好きですねえ〜。
萌え萌えな漫画なのでみなさんも読んで見ては如何でしょうか?笑。
何か間違っている場所があるかも知れません、あったら教えてくださいネ。