【桜蘭高校ホスト部】





「あれ…ハルヒじゃん?」


「ぁ。



マンションから出て、自転車にまたがったらハルヒが歩いてた。



「近いの、家」

「うん」

「…乗ってく?後ろ」


しばらく考え込んで、ハルヒは「うん」と言った。










可愛いなァ…。










肩にハルヒの手が掛かる。


「ご近所さんなんだねー、俺等」

「そうだね」

「今度遊びに行っていい?」

「…良いよ」

「本当!嬉しい、俺の家にも是非遊びにきてよ」


他の部員はちょっと困るけど、ハルヒなら良いや。


学校に近づくにつれて、車が多くなる。

一台一台が長かったり大きかったりするから、すごい渋滞だ。




…だから自転車にすれば良いのに。




自転車の方が早く校舎に入れるし。



「おーい、ー。ハルヒー」



後ろから呼ばれ、あたしは自転車を止めた。


「光、おはよう」


「ハヨ」


光がよっと手を上げる。


「何、2人一緒に登校?」

「うん、途中でに会った」

「羨ましいでしょ、光」




「…べっつに」




や、意外に間がありましたね!!





へぇ…光がねぇ…。



あたしがじっと見てるのに気付いて、「何だよ」と怪訝そうに言った。


「べっつに」


そう言うと、あたしは自転車をこいで校内に入った。


そして廊下で声をかけられた。


「おはようございます、くん、ハルヒくん」


  「おはよう、咲姫」  「おはようございます」


にこり、朝専用の営業スマイル。



くん、学校には慣れた?」

「はい、ハルヒや光たちが仲良くしてくれます」

「そうですか、それではまた放課後に」


優雅に御辞儀して、彼女は去っていった。


「あれ、のお客さん?」

「うん、一応ね。あ。そだ、うちに来るの、今週末でどう?」

「今週末って…明日?」

「うん、泊まりのつもりでおいで」


「え」


「帰さないから」

「じゃぁ行かない」

「冗談だよ、土曜の朝、おいで」










【扉を開けるとそこは魔法界でした】







「ハ○ーポッ○ー?」


「お前はハー○イ○ニーだ」


あたしの呟きに鏡夜が応える。






「やだ!!女装くさい!!」






「その通りだ」(鏡夜)




「ひどっ!!」



そりゃぁ酷すぎませんか?


てか、あんたが着せたんや!!





「で、鏡夜。あんたは何のつもり?」

「…一応マ○ゴ○○ル女史だ」





ヒィ―!!



似合いすぎて怖いよ。





「あんたこそ、本気で女装じゃない…」

「お前には負けるよ」



えぇ、そうでしょうとも!!



少し涙が出ましたよ、鏡夜さん。




ちゃ〜ん、見て見てぇ〜僕赤毛のアン〜」

「…○ンの妹でしょ…」


どっちかって言うとさ。



「で、何でこんな非売品であろうコスプレ衣装があんのさ?しかも何着も」









「ん?」ニコニコニコニコ…









そんな素晴らしい笑顔をあたしに向けないで下さい…!





眩しすぎるっ!!





理由は訊かずとも分かってるっていうか。








まぁ、要は。












「金か」














納得、とあたしはローブに三角帽子を被り頷いた。



「ハルヒ、ポッ○ーじゃん、似合ってるよ」

「「俺等まんまじゃん、つまんねー!」」


あんたらがフ○ッドと○ョー○やんなきゃ、他に誰がやるってのよ。


「鏡夜!これ、あのイジメっ子じゃないのか!!??」


環が大騒ぎしてこちらに走ってきた。


あ〜、金髪、オールバック。



マ○フォイだ。



「そうだが?」(鏡夜)

「俺はハルヒをいじめたりなんかしないぞ!!」(環)

「そうだとしても、お前にはそれがぴったりだ」(鏡夜)

「ねー、誰か殿を黙らす魔法知らなーい?」(光)

「百味○ーン○でも食べさせる?…う○こ味」(馨)




   「「ギャハハハハハ!!ウケるから――――!!!」」




何がウケるのか。


それにね、もう1つ質問があるのですが。



「モリ先輩は誰役ですか?」


「…ハ○リット」








って。













ぇえ――――――――――――――!!!???













一種の差別ですよ…いや、たしかにハ○リットは良い奴だけど。



みんなホ○ワーツの制服なのに、モリ先輩だけ…ボロボロの服。








人生の中で、そんなボロい服を着たのは初めてなんじゃないですか?









「モリ先ぱ「わ〜い、わ〜い、ハ○リット大好きぃ〜」













はぁ…←脱力。











脱力しながら、あたしがお茶を淹れていると鏡夜が寄ってきた。



、今週土曜日。楽しみだな」



…。







「な」









何で知ってんの――――――――――――――!!!???











「な、ななななななん、え!?」



「くっくっく、が驚くのを見れるとは。俺の情報網を甘く見ないでもらいたいね」


「何言ってんのさっ…まさかみんな知って…」


「いや?まだ俺しか知らないが?」




しか、を強調されても…。




「言うなよ?くれぐれも、常陸院や環には」


「…肝に命じておくとしよう」



はぁ…。


あたしは頭を抱えて、ティーポットを傾けた。



「仕方無いか…他の部員にバレ無い事を祈るしか…」



ブツブツと呟きながらお客さんの所へ。





くん、今週末ハルヒくんをご自宅に招待されたんですってね、素敵ですわ」





















待て――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!




















「鏡夜〜〜〜〜〜〜!!!!」


「そんな怒るなよ、可愛い顔が台無しだ」にっこり。









なっ!!!









…落ちつけ、落ちつけ、あれもあいつの作戦の内だ!!














「ゴホン、あんたに俺の言葉は届かないようだな」

「そうでもないぞ?俺はお前を充分に理解してるつもりだが?」

「…左様ですか」





鏡夜の笑顔は見なれているけど、何故かドキドキしてしまう。





それは作られた笑顔なのに、あたしは。






何処かおかしいのだろうか、ニセモノだと分かっていても嬉しく感じてしまうなんて。















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