【桜蘭高校ホスト部】






「何処行くの?」


「はい、えっと、まず『まるとみ』行って、『ティアラ』でも行きますかネ」


まるとみは大手庶民ス―パー。

ティアラは言わずと知れた。


「本当に!?ティアラのケーキ、本当においしいよねえ〜」

「そうですね。あたしもあそこのケーキは好きです」


そう、セレブ御用達の有名高級洋菓子店、それが『ティアラ』であります。


一つ一つは本当に値がはるんだけど、めちゃくちゃ美味しい。

庶民派のあたしといえど、それは譲れない。

ケーキといえば『ティアラ』。

一味違うなら別に『不○屋』でも構わないのだけど。


「歩いていける距離なの〜?」

「まぁちょっと遠いんですが、昼前までには戻れますよ」

「え〜?遠いの??タクシー呼ぼうよ?」

「…日頃歩かないからですよ、一緒に歩きましょう!!」

「そうだね!」


まるとみは近いが、ティアラはちょっと遠い。


歩いて20分ぐらいかかる。


「今日ヒカちゃんとカオちゃんの誕生日だったんだねえ〜、ちゃん料理するの?」

「はい、まぁ…要求されましたし」

「あのねっ、今日の朝ご飯とっても美味しかったの〜!」

「ありがあとうございます」

「何作るの?」

「どうしましょうかねぇ…」


実際8人もの食事を作る事なんてなかったから。


カレーで良いじゃん、とか思う。


けど、あの2人はなぁ…何せケーキが…。





キムチだから。





「カレーにしましょう」

まぁ多少の厭味も込めて。

「僕カレー大すきっ、辛いのにしようね――――♪」

「そうですね」

かなりの厭味も込めてね。



それにしても、今思うとホスト部メンバーって辛い物好きだよな…。



「でも…」

ハニー先輩がちょっと言い澱む。


あぁ、分かった。


「大丈夫です、にんじんは入れませんから」


「ほんとにっ?嬉しい〜、覚えててくれたんだね!」

「当たり前じゃないですか」


「じゃぁなんで?」


ハニー先輩は歩みを止めた。


「え?」


あたしは振りかえる。







「何で僕の呼び方忘れちゃったの?」






別に、忘れたワケじゃぁ…。





「崇の事は思い出したのに、僕の事は思い出せないの?」




別に、そういうワケじゃぁ…。












は、僕の事嫌いになっちゃったの??」












「嫌いになんて…そんな」


「じゃぁ昔、僕がした事をまだ怒ってるの?」


「怒ってないですよ」


だってあの事はハニー先輩のせいじゃないから。




昔、あたしがまだ『東宮』を名乗り、日本にいた頃。

あたしはハニー先輩や崇と同じ稽古を受けていて、一緒に学校に行ったりしていた。

(桜蘭初等部に通ってました)

あたしはこの金持ち学校で有り得ないイジメにあってました。

でも昔からこの性格なので、屁でもなかったのですが。

ある時階段から突き落とされたのです。

でも昔から体育だけは良かったので、持ち前の反射神経と受身で事無きを得ました。

それでまぁ、それはそれだったんですけど。

突き落とした犯人がD組の連中(A組の女子先輩に頼まれたらしい)で。

イジメの事実とその原因を知ったハニー先輩は、天性のブラック降臨で(意味不明)

D組の人を奈落の底に突き落としたそうな。(次の日学校から消えていた)

原因と言うのは、ハニー先輩に近づいたから。

思春期特有の妬みでありました。浅墓というか、ナンと言うか。

勿論ハニー先輩も、A組の女子先輩たちも無関係と処理されたけど。

それからずっとハニー先輩はそのD組連中を気にかけていて、自分を責めていたらしいから。



あたしはそれが厭だった。



あたしのために、他人を傷付けないで。



そして、あたしはあなたを傷付ける。



だから呼び方を変えた。


同時に渡英した。






「ごめんね?」






ハニー先輩があたしを覗き込んで言う。






違うんです、先輩。





悪いのは、弱いあたし自身なんですよ。





これは一種の戒めです。






だけどそれはエゴでしかないのかもしれない。






、ごめん」


覗きこむ目に涙が浮かぶ。











泣かないでください。












どうしてですか?



ただ、呼び方を変えただけでしょう。



「僕、と昔みたいに戻りたいよ…」


あぁ。


あたし。






こんなにあなたを傷付けているなんて知らなかった。






傷付けたくなかったの、それだけなの。






「ごめんなさい…ごめんなさい、光邦…」


…?」


どうして、が謝るの?そう訊ねる声が耳に入る。


昔から優しい、大切なものを抱くような。



「僕はね、。大切なものは絶対手放したくないんだ。

 だから、大切なものを傷付ける奴は許さないの」



「…うん」



「僕が守るの」



ね?と光邦は笑いかける。



嬉しいけど、でも無茶はしないでほしい。



「ごめんなさい…」


あたしはそれしか言えなくて。


「違うよ?。そういう時はね、ありがとうって言うの〜」


にっこりといつもの笑み。


昔から変わらない温かい笑み。










「ありがとう…」












「良くできましたっ」



照れて視線を落とすあたしに、光邦はさらに笑いかける。



やっぱり敵わないかな、なんて思う。



昔から、武道も、“こういう”事も。



一枚も二枚も上手。



昔に未練は無いけれど、



昔に似た未来が待っていると思うと、



少し嬉しくもなった。














「…ちゃん…」

「何ですか、先輩」


御互いフザけているのは百も承知である。









やっぱり崇を連れてくるべきでした。









「重いよ〜」


終いには。



光邦は、ふえ〜ん、と泣き出す始末。
















…あんた崇を投げ飛ばせるぐらい力あるだろうが!!


















重いのはこっちだ!





「やっぱり車呼びましょう…」


あたしはやれやれと首を振った。


両手にはカレーの材料とケーキ。

ケーキは無碍には扱えないので慎重に運ばねばならず、疲れる。












「「崇…」」

























、光邦。






















崇の重要性を今更ながらに実感。←そんな事で…。

























NEXT STORY!


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やばい!!意味不明だ!!

本当はもっと深い因縁を考えていたんですが、

ギャグが成立しなさそうなので止めましたw苦笑。

安直な上に安っぽくなってしまった…↓。

本当に桜蘭でこんな事が有り得るかは疑問ですが。

まぁ大目に見てください↓。

『誰との夢が読みたいですか?』アンケート。

ホスト部キング、須王環に一票も入って無い………!!!!

可哀想…。涙で前が見えないよ。

そして意外という程ではないですが、鏡夜様がホスト部一位であらせられる。

鏡夜様のキョウの字は『恐』であるという噂です…←嘘です。




今、企画を考え中です。


題名は『桜蘭高校ホスト部日誌』!!

ホスト部メンバーによる交換日記。

どうぞ御楽しみに。