【PEACE MAKER】    Slapsrick  〜School〜



っ!!」

迎えにきたよーっと、平助が玄関で叫ぶ。

「待ちくたびれたわ、おはよう平助」

「おはよう、!!これからもヨロシク!!」

「よろしくね」

はカバンを取ると、先だって玄関を出る。

「平助くん、をよろしくね」

「母さん、恥ずかしいから止めて」



「…ハイッ!!


 必ずさんを幸せにします!!!!



「ばぁか」








【生徒会長は危険な香り。】











平助は力いっぱい言うものだから、に頭を小突かれた。


断っておくが、この2人、そんな関係じゃない。



、後ろ乗ってくでしょ?」

「当然」

自転車にまたがり、颯爽と登校。

今日は入学式日和。


「新八は?」

「式のリハとか準備あるから大分前に出てったみたいだよ?」

「大変ねぇ…」

「…それより訊いたんだけど。、新入生代表挨拶断ったんだって?」

「そうだけど?」

「新八っつぁん頭抱えてたよ」

「それは是非とも見たかったわ」


何とも掴めない調子では続ける。


「クラス同じだと良いね」

「そうね」


の家から学校まで、自転車で20分。


あっという間にそれは過ぎた。






「何で――――ッッッ!!!!」





「平助、うるさいよ」


新入生がクラス分けが張り出されている掲示板前。


2人だけじゃなく、大勢新入生がいる中、平助は叫んだ。


はB組で、俺がC組なの!?」


そう、クラスが見事に別れたのだ。


「新八っつぁんの陰謀だぁ!!」


泣きそうになる平助を宥めて、は掲示板(人込み)から離れる。


「目立ってたわよ、全く」

「だって〜(涙」

「あたしだって寂しいわ」

「だよね〜!!!今から変更ってならないかな!?」

「無理でしょ」

「だよね〜〜〜…」


凹みまくる平助を尻目に、はある人を見つけた。


(沖田さんだ…)


制服を着た、細身の綺麗な人。


「とにかく、体育館入ろう?」


いじけている平助に、はそう言葉をかけ体育館へ向かった。







『――……ですので、新入生のみなさん…存分に学生生活を楽しんでください!!』


マイクから放たれる声。

壇上の彼を見て、そして2人は顔を見合わせる。


「あれ、新八っつぁん?」

「…別人だね」


聴いた事のない新八の爽やかで若さ溢れる声色。

それに加え、爽やかで若さ溢れる笑顔。


「俺何だか怖いんだけど」

「あたしも…何か寒気さえする」


君達、それ本人に聞かれたらボッコボコですよ。


「そう言えばさ、B組の担任、怖そうな人だね?」

「あぁ、土方先生?」

「そ、俺あぁ言うタイプ苦手だわ〜のクラスに遊びに行けない!!」

「…来なくて良いって。C組って…山崎先生だ?明るくて良さそうだね」

「うん、それに美人♪」

「…平助はそこしか見てないじゃん」



『はい、そこの新入生、黙りなさい』





ヒィっ!!!




打って変わった新八の眠気も覚める、地獄のそこから響いてるような声で2人は押し黙った。


目が据わってましたよ?


まるでそれが平助たちにしか見えてないみたいな空気。




「「…みんな騙されてる」」




『黙りなさい』




ごめんなさい…。



式は、そうして過ぎていった…。





「突然だが、席替えをする」


指定のクラスに入ったなりに、土方先生は言った。


「言っておくが、意見は聞くが異論は聞かねぇ(ギロッ










ヒィ―――――!!!!!!










B組の温度が一気に下がった。


(先が思いやられるな…)


だけが、のほほんと窓の外を見仰いだ。


「次、!クジを引け」


「はぁーい…ってアミダなんすか!!??」


「そうだ、公平かつ席替えというドキドキワクワクなイベントを彩るのに最適だろう」


そんな満足そうに語られても。


この人、実はかなり学校をエンジョイしてるんじゃないか。




見掛けに因らず。




「6番…窓際1番後ろだな」

「ラッキィ♪」

「…チッ」


い、今、土方先生、チッって!舌打ちしましたYO!!??


さすがにも動揺した…。


カバンを持ち、席を移動する。

中々のくじ運だ。


チラリと隣を確認する。


男だ。



(…チッ…)



「隣が私では不服か?」

「ぇ?」

「だが、それも運命だ。お主とはこれからも付き合っていく事になる…」



何の事ですか――――!!!???



(てか、あたしと喋ってるんだから、前見据えてないであたしを見なさいよ!)


「…これは失敬」


そう言って男はこちらを向いた。



考えてる事筒抜けってワケですか。



…本当に同じ歳ですか?



どこか悟ったような、超越したような、そして虚ろな表情をした男。


「私は斉藤一、よろしく頼む、

「…よろしく、斉藤くん…」








の学校生活は、前途多難。







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