【PEACE MAKER】 〜例えばこんな逸話〜 壱
あたしは 弱くない。
強くも無い。
だけど 強く美しく在りたいと願っている。
「?」
名を呼ばれたので、素直には振り向いた。
「なぁに、総司」
一番隊隊長である彼をは呼び捨てにしている。
まぁ別に呼び方如きで怒るほど彼は心が狭くない。
総司との関係、それは親友で戦友で、それ以下でもそれ以上でもない。
つまりー…まぁ良いや。
面倒くさい。←ぇ。
「いつまでサボってるんですかぁー?これから私達一番隊と巡察ですよー?」
バレたか。
総司の微笑みが幾分黒く見えるよ…。
は今二番隊に属する、新撰組唯一の“女隊士”。
剣の腕前は隊長格とも並ぶほど。
それでも隊長になれないのは。
この。
サボり癖のせい。
「またサボる気だったんですかー?いい加減、私も永倉サンも堪忍袋の緒が切れちゃいますよ」
「それはコワイ」
「本当にそう思ってるんですか?」
「本当本当」
「信用できませんよーっだ」
べーっと総司がフザけて舌を出す。
「即答!?ひどっ!」
も合わせてフザける。
この手の冗談の掛け合いは日常だ。
対であるならば誰でもこうなる。
あの副長様々であっても、はこの手の物言いをする。
試衛館時代からの古株、って訳でもない。
ただ、こんな“性格”なだけ。
新撰組に入って、2年かな。
結構短いなー、数にしてみると。
おんやぁ?
殺気?
「〜〜〜〜〜???」
ゲ。
「沖田クンもいつまで待たせるのかなァ〜?それとも僕の気が短くなっちゃったのカナ?」
「「永倉サン(隊長)!!」」
青筋立ってますよー、隊長殿…。
今日はこれから一番隊と二番隊で見回りらしい。
珍しい組み合わせだなぁ。
総司と隊長の顔を見つめる。
「「ッ!!!!」」
早くしてください!と総司にせかされる。
悠長に見てる場合でも無さそうだね。
さぁて、朝のお勤め行ってきますかぁー。
は愛刀『清明』を腰に差し、髪をまとめ、隊服に身を包むと、
さっきとは別人のように無表情になって。
部屋を出た。
あたしは 弱くない。
強くも無い。
だけど 美しく強く在りたいと願う。
―次→
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やってしまいました。
手を出し過ぎかなw苦笑。
『新選組異聞PEACE MAKER』、『PEACE MAKER 鐡』ドリ。
短くするつもり…。
つもり。つもり。つもり。←しつこい。
感想御待ちしてます。