【PEACE MAKER】 〜例えばこんな逸話〜 十二
「」
真向かいに座った土方副長が眉間を最大に寄せてうなった。
「…副長、そんな顔していらっしゃると眉毛くっつきますよ?」
試しにフザけてみる。
「馬鹿野郎!!!!!!」
予想通りに怒鳴られた。
そんなに怒鳴らなくても良いじゃないですか。
「あれほど、早く帰ってこいと言っただろうが!特にお前には口を酸っぱくして!」
「…それ、あなたが言える台詞ですか?」
怒ると知っていてあたしはそう吐き捨てた。
しかし。
「すまねぇ」
「へ?」
「総司と一緒だったから、大丈夫だと思ったんだが…俺が悪かった」
低い、静かな声で土方さんは言った。
「そ、そんな…」
素直に謝れても困る。
「だが」
ぴしゃりと口調を変える土方さん。
「何でお前等は刀を持ち歩かねぇんだ!?」
また始まったよ…。
「新撰組隊士としての自覚はあるのか!?それではいくつ命があったも足りねぇぞ!!」
「それ、総司にも?」
「当然言った!!」
「…でも、女のあたしが刀持ってたら怪しまれるじゃないですか」
「…だったら出歩くな」
理不尽!!
「お前たちは謹慎だ」
「は!?」
「どの道、隊務にも出れねぇだろ。大人しくしてるんだな」
「って事は隊務は出なくいい!?」
サボれるって事ですか!?嬉々。
「その分賄いの方へ回れ」
「えー!!!」
賄いって、隊士よりキツイ仕事じゃないっすか…。
あたし一応怪我人ですよ?←こんな時だけ。
「えー!じゃねぇ!!この馬鹿が!!」
そう言って、土方さんはあたしを部屋から追い出した。
斬られた横腹はじくじく痛むけど、我慢できないほどじゃない。
じっとしていると、色々考えてしまうことは目に見えていたし。
…そう言えば、帰ってきてからというもの、総司に会っていないな。
会ったら、一発頬を殴ってやろうか。
あの時あたしは冷静さを欠いて、総司に怪我までさせてしまった。
総司はとても強いけど、その強さは脆い。
とても強い。
この屯所で一番強い…一番…一番…
一番黒い…←ぁ。
そんな彼に…
怪我を!!!!!
の、呪われる!!!汗。
今更恐ろしさが込み上げてきたよ…涙。
なんて冗談はサテオキ。
本当に、総司は迷う事無くあたしをかばった。
そんな事、あって良い筈が無い。
あたしのせいで人が死ぬなんて。
あたしが守られて良い筈がないんだ。
簡単には死ねない、けど守られてまで、他人を犠牲にしてまで生きていて良い筈が無い。
このあたしが。
「そんな事、させないんだから」
呟いた声音が夜空に溶けた。
―次→
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記述模試逝ってよーし。←ぉぃ。
落ちたらどうしよ…ガタ(((゚ロ゚)))ガタ。
まぁどっかに永久就職するか。←は?
守り守られ、支え支えられ、それは弱さと言うけれど、
そんな関係はとても強いと思う。