護るものができた。

この細い腕は頼りない、この小さな肩は頼りない。


でも護るんだ。


絶対、護ってみせる、お前がいる限り俺はどこまでも強くなれる。








オー!ハッピーハッピーディ! 







『これよりベールダウンを行います』


新婦のベールは清浄のシンボルで、悪魔や悪霊から身を守る意味がある。


この世で、人生で、最も大切で愛している人。
純白のドレスに眩い光をまとって、両親から、家族から、俺の元へ。





   






穏やかな日が差し込んでくる、聖歌隊が讃美歌を歌い、参列したものはみな、カメラを構えている。
は、煌めく白のウエディングドレスに身を包み、赤いじゅうたんの上を、俺の方へ。
あぁ、やっぱり白が似合う、すげーきれい。





   






何分、経っただろうか。あるいは数秒で、が目の前までやってきた。そうして。
父親の腕から、俺の腕へ、白い手袋をまとった細い手が、寄せられる。





   






聖書という物が読まれている。この目の前にいる男は神父という神に仕える人間らしい。
そして、誓約。誓いますか?そんなの誓うに決まってんだろ。はっきりと、誓います、と告げる。
隣で同じように問われたが、震える声で、誓います、と言ったのが聞こえた。
泣いてんのか?





   





神父が高らかに、結婚宣言を読み上げた。祝福の拍手が、聞こえてくる。
そうして俺はの薬指に、は俺の薬指に、それぞれの指輪を。
やべぇ、手が、震える。
讃美歌が響き渡り、そして、俺はベールを上げる。





   





ベールを上げる。母親にかけてもらったソレはもう必要ねぇだろ。
何からも誰からも、すべてから、お前を守るのは俺だ。
が俺を見上げた。





   






潤んだの瞳が、俺を見つめていた。
を抱き寄せ、そして、口づける。
そっと、触れるだけのそれは今まで一番甘い香りがした。














―その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、
これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか―








「誓います」














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愛してる、愛してる。
完結しました^^ありがとうございました★