護るものができた。 この細い腕は頼りない、この小さな肩は頼りない。 でも護るんだ。 絶対、護ってみせる、お前がいる限り俺はどこまでも強くなれる。 オー!ハッピーハッピーディ! 『これよりベールダウンを行います』 新婦のベールは清浄のシンボルで、悪魔や悪霊から身を守る意味がある。 この世で、人生で、最も大切で愛している人。 純白のドレスに眩い光をまとって、両親から、家族から、俺の元へ。 一 穏やかな日が差し込んでくる、聖歌隊が讃美歌を歌い、参列したものはみな、カメラを構えている。 は、煌めく白のウエディングドレスに身を包み、赤いじゅうたんの上を、俺の方へ。 あぁ、やっぱり白が似合う、すげーきれい。 二 何分、経っただろうか。あるいは数秒で、が目の前までやってきた。そうして。 父親の腕から、俺の腕へ、白い手袋をまとった細い手が、寄せられる。 三 聖書という物が読まれている。この目の前にいる男は神父という神に仕える人間らしい。 そして、誓約。誓いますか?そんなの誓うに決まってんだろ。はっきりと、誓います、と告げる。 隣で同じように問われたが、震える声で、誓います、と言ったのが聞こえた。 泣いてんのか? 四 神父が高らかに、結婚宣言を読み上げた。祝福の拍手が、聞こえてくる。 そうして俺はの薬指に、は俺の薬指に、それぞれの指輪を。 やべぇ、手が、震える。 讃美歌が響き渡り、そして、俺はベールを上げる。 五 ベールを上げる。母親にかけてもらったソレはもう必要ねぇだろ。 何からも誰からも、すべてから、お前を守るのは俺だ。 が俺を見上げた。 六 潤んだの瞳が、俺を見つめていた。 を抱き寄せ、そして、口づける。 そっと、触れるだけのそれは今まで一番甘い香りがした。 ―その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、 これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか― 「誓います」 --------------------------------------------------------------------------------- 愛してる、愛してる。 完結しました^^ありがとうございました★ |